大和町に工場用地11ha取得 半導体生産拠点を整備 県土地公社が造成(東京エレクトロン)

[2018/9/12 宮城版]
 半導体製造装置の開発・製造メーカー東京エレクトロン(東京都港区)は、黒川郡大和町内に保有する工場の北側隣接地を新たに取得し、半導体に係るプラズマエッチング装置の開発・製造拠点を増設する。9月11日に土地取得に関する協定締結式を宮城県庁内で行い、宮城県および大和町と協定を結んだ。今後、宮城県土地開発公社が土地11万1000平方mを造成し、同社に引き渡す。31年7月に造成工事に着手する予定だ。

 宮城県庁内で行われた工場用地取得に関する協定締結式には、東京エレクトロンの河合利樹社長と東京エレクトロン宮城の北山博文会長が出席。村井嘉浩知事、浅野元大和町長を加えた4人が並んで座り、協定書を交換しながら署名した。

協定書を交わして談笑する(左から)東京エレクトロン宮城・北山会長、村井知事、東京エレクトロン・河合社長、浅野大和町長

協定書を交わして談笑する(左から)東京エレクトロン宮城・北山会長、村井知事、東京エレクトロン・河合社長、浅野大和町長

 工場の増設を決めた東京エレクトロンに対し村井知事は、近年、車の自動運転やIoTなどで半導体の需要が急速に高まっていることを述べた上で「同社が既存工場をさらに拡大し、県内で生産量を増やしていくことは産業の活性化につながる」と喜んだ。

 同社は平成19年3月に大和町の工業団地「大和リサーチパーク」の一画約30haを取得。半導体に係るプラズマエッチング装置を開発・製造する工場を建設した。20年3月からグループ傘下の東京エレクトロン宮城が工場を運営している。

 今回、既存工場の北側となる大和町小野岩倉の山林11万1000平方mを取得する。同地は現在、宮城県と大和町が管理している。敷地の造成までは宮城県が行うこととし、土地の取得および造成を宮城県土地開発公社が担う。造成完了後に同社に引き渡す。

 現時点では31年7月に造成工事に着手する予定。33年3月までに完了させ、引き渡す。9月11日に発表された宮城県の9月補正予算案では、同公社への事業資金借入に関する保証として、限度額9億1000万円の債務負担が設定されている。

 土地を引き渡された後の計画について河合社長は「どのような工場を建設するか、まだ具体的には決めていない。ただ、新しいビジネスモデルに半導体が使われ、市場が拡大しているので、量産体制を確立していきたい」と抱負を述べた。30億円台後半の投資額を想定しているという。

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