地価、6年連続上昇 全用途で1.9%増 旧農学部周辺が上昇

[2018/9/19 宮城版]
 宮城県と国土交通省は9月18日、30年度の地価調査(基準地価)の結果を公表した。宮城県の全用途の平均変動率は29年度比で1.9%上昇。25年度から6年連続で地価が上昇する結果となった。全国的にも全用途の平均変動率が29年度比で0.1%上昇し、平成3年以来27年ぶりに上昇に転じた。宮城県内では仙台市の地下鉄沿線に加え、東北大学旧農学部跡地(青葉区上杉)周辺の土地の値上がりが目立っている。

 今回の調査は、7月1日時点の地価の変動を地域別に調べたもの。基準地は29年度と同じ県内35市町村の計405地点(住宅地267地点、宅地見込地2地点、商業地100地点、工業地16地点、林地20地点)だった。405地点のうち、継続地点は398地点。住宅地3地点と商業地3地点、工業地1地点は選定替えとなった。

 住宅地で継続地点となった264地点のうち、38.3%に当たる101地点が29年度より上昇した。31地点は横ばい、132地点は下落した。商業地は継続地点97地点のうち、63.9%に当たる62地点が上昇した。横ばいは7地点、下落は28地点だった。

 宮城県全体の平均変動率は、全用途で1.9%の上昇となった。29年度が1.7%上昇だったため、上げ幅はさらに0.2ポイント拡大した。1平方mあたりの平均価格は8万3800円で、29年度より6700円高くなった。

 県内35市町村のうち、全用途の平均変動率が29年度より上昇した市町村は9市町。その平均変動率は▽仙台市7.5%▽名取市5.7%▽多賀城市0.6%▽岩沼市5.4%▽富谷市4.6%▽大河原町2.5%▽利府町1.1%▽大和町2.6%▽女川町0.4%──となった。

 仙台市の上昇が群を抜いており、上げ幅は昨年の6.8%からさらに0.7ポイント拡大した。仙台市周辺市町村のうち、名取市と岩沼市は5%台の上昇。ベッドタウン化がさらに進む富谷市、大和町の上昇も目立っている。29年度は横ばいだった女川町は、今回は商業地が上昇し、全用途でも0.4%上昇となった。

 本県の地価の上昇地点を見ると、29年度より上昇率が高かった上位10地点は、住宅地、商業地とも仙台市内が大半を占めた。地下鉄東西線の開業の効果が依然続いており、若林区内の上昇が目立つ。

 住宅地で最も地価が上昇したのは、昨年全国10位の上昇率を示した「若林区裏柴田町29-5ほか」。連坊駅に近く、平均変動率は12%の上昇となった(29年度比1.5ポイント増)。1平方m当たりの土地の価格は17万7000円で、昨年より1万9000円高くなった。2番目に上昇したのは連坊駅、五橋駅とも近い「若林区東八番丁197-2」。12%上昇(同0.7ポイント増)し、1平方m当たりの価格は18万7000円(2万円高)となった。

 地下鉄南北線の沿線でもあり、大型商業施設の整備が予定されている東北大学旧農学部跡地周辺の土地も上がっている。商業地で上昇率が1位となったのは「上杉6-2-23」で、旧農学部東側の北六番丁通りに面している。平均変動率は昨年より2.1ポイント増の17.5%上昇。1平方mの価格は28万2000円(4万2000円高)となった。商業地の上昇地点上位10位までにはほかに、旧農学部の周辺地区が2カ所含まれている。

 今回の調査では、工業地の地価上昇地点として臨空工業団地の「岩沼市下野郷字新南長沼22-6ほか」が全国10位に入った。29年度より8.3%上昇し、1平方m当たりの価格は1万9500円となった。

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