健康・医療の中核に メディカルタウン構想を策定(船橋市)

[2018/10/25 千葉版]
 船橋市政策企画課は、新たなまちづくりが進められる予定の海老川上流地区に移転が計画される、市立医療センターを核とする「ふなばしメディカルタウン構想」をまとめた。「健康寿命日本一」を目指す同市が、医療や健康をテーマとしたまちづくりについての考え方をまとめたもので、東葉高速線の新駅誘致や、歩行者・自転車優先の道路づくりなどを施策として導入していくとしている。

 同構想では、健康維持や予防医学などの考え方を生かすとともに、常に新しい技術や情報が入る医療・健康を加えることで「進化し続けるまち」(地域)を実現するとし、市民が元気に生活でき、この地域を市内外から訪れる人も元気になる、市の健康・医療の中核となるまちを目指すとした。

 まちづくりの理念として同構想は「健康創造都市ふなばし~進化し続けるまち~」を掲げ、そのコンセプトを▽自然との調和を図りながら、医療センターを移転しまちの中核にする▽子育て世代や高齢者をはじめ市民が元気に暮らし続けられるよう健康を意識できるまちにする▽訪れた人が楽しみながら健康になれるまちにする──こととした。

 「目指すまちの姿」として[1]健康意識の高揚[2]コミュニティ活動の活性化[3]医療の充実[4]自然との調和[5]公共交通利用環境の向上[6]身体活動の促進──の6つを据え、このうち[1]健康意識の高揚では、総合的・戦略的なヘルスプロモーションとして、自然志向の飲食店や商業施設の誘致を積極的に行うことや、都心からの近さを生かし、都市型ウェルネスツーリズムとして、日帰りでの楽しい健康プランによる魅力的なまちになる可能性もあるとした。

 [2]コミュニティ活動の活性化については、公共と市民・企業、大学が連携した、まちづくり運営組織による魅力的で持続可能なまちづくりを図り、[3]医療の充実では、徒歩圏内に診療所や薬局などがある、便利で安心なまちづくりを目指す。また、[4]自然との調和では、環境に優しいまちづくりのため、スマートエネルギー技術の導入や、海老川調節池上部利用との一体化などを図る。

 [5]公共交通利用環境の向上に向けては、まちを分断しがちな高架下空間を有効活用。[6]身体活動の促進では、分断された複数街区を有機的につなぐ横断デッキや、歩行意欲を高める景観の良い歩行空間の創造などを目指していくとした。このほか、医療系や医療系大学、介護系専門校などの誘致も検討するとした。

 海老川上流地区は、船橋駅など中心市街地に直線的に近く、地区内には平成8年に東葉高速線が開通。自然環境も残っている。これまでに、組合施行の土地区画整理事業を進めるため、土地区画整理組合設立準備委員会が設けられており、33年度の事業着手が目指されている。

 基本構想で35年度の開院が目指される市立医療センターについては、建替基本計画の策定をアイテック(東京都中央区)が30年度末を履行期限に進めており、庁内では「在り方に関する検討委員会」で検討を進めている。

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