宇都宮市の大谷スマートIC 今年度アクセス路を都決 県が大谷街道、市は中丸野沢線拡幅

 宇都宮市内の東北自動車道において32年度開通を目指し、(仮称)大谷スマートICの設置に向けた事業が進められている。スマートICの整備は、東日本高速道路(NEXCO東日本)が高速道路と一般道との連絡路を施工するほか、県が大谷街道(主要地方道宇都宮今市線)、市が市道2457号線(中丸野沢線)の改良工事を実施する。市道路建設課によると、スマートIC設置に向けた都市計画案の縦覧を12月にも実施し、31年2月に市と県の都市計画審議会で計画案を審議。3月にも都市計画を決定する見込みだ。全体事業費は概算で53億円。

 市は、ネットワーク型コンパクトシティの形成を目指しており、中心市街地や地域コミュニティ等の拠点化の促進、幹線道路の整備等の交通基盤強化に向けて、(仮称)大谷スマートICの整備を計画。27年7月にスマートIC連結許可を取得し、事業に着手した。スマートICの詳細設計はNEXCO東日本が発注し、計画エンジニヤリング(東京都豊島区)が担当している。

 料金所形式はコンパクト化を図り、誤進入してもラウンドアバウト型にUターンできる、環道型料金所を採用。一般道と高速道路の連絡路内に設置する。連絡路については、上り線は高速道路と大谷街道との交差部北側で、市道2457号線へアクセス。下り線は交差部南側で、大谷街道へアクセスする。これら連絡路やスマートICは、NEXCO東日本が主体となって工事を行う。

 連絡路は、上り線が延長約400m、下り線が延長約310m。幅員は、7m(車道3m×2、路肩0.5m×2)~14.5m(中央帯2.5m、車道3.5m×2、路肩2.5m×2)。盛土の高さは3~6m。上り線は両側、下り線は大谷街道付近の東側に側道(W約5m)を整備する。

 連絡路には、一般道が通過するボックス工を整備する。上り線は3カ所設置し、西側から市道1375線(H4.5m×W7.4m)、市道864号線(H4m×W5m)、認定外道路(H3m×W4m)が通過。下り線では2カ所設置し、南側から市道1376線(H4.5m×W7m)、市道653号線(H3m×W5m)が通過する。

 大谷スマートIC整備に伴い、周辺道路でも整備に着手。県宇都宮土木事務所では、大谷街道(L1500m)の改良整備を実施する。計画では、東北自動車道との交差部南東側において中丸公園付近まで幅員を20mに拡幅。交差部北西側において市道1341号線(明保通り)との交差点付近まで、幅員を15mに拡幅。幅員20mの区間の交差点付近は、中央帯に付加車線(右折レーン)を確保する。

 県は大谷街道の整備に向け、現在のところ用地の先行取得を実施しており、用地取得や物件補償等の進ちょく状況に合わせて整備に着手。とちぎ健康の森入口交差点~スマートICまでの区間を優先して整備するとしており、第3四半期には駒生町地内で延長約350mの改良工事(歩道整備)を発注するという。

 市は中丸野沢線の整備を進め、大谷街道に接続する右折車線(付加車線)の工事を実施。幅員は13.75mで、中央に付加車線(W2.75m)、付加車線の両側に車道(W3m×2)、車道の両側に路肩(W0.5m×2)、路肩の両側に歩道(W2m×2)を設置する計画。現在は用地の段階とし、用地取得や物件補償等が完了次第、整備に着手するとしている。

 市では、東北自動車道と大谷街道との交差部にスマートICを設置することで高速道路利用圏域が拡大。地域住民の利便性向上や地域振興、円滑な交通環境形成、救急救命活動の支援や防災機能強化など、機能的なまちづくりを推進していくとしている。

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