[2019/2/28　千葉版]
　県下37市の2019年度予算案が、26日の匝瑳市による公表で出そろった。一般会計の総額の合計は、前年度当初比3・6％増となる約2兆2,131億円(本紙調べ、表参照)。同会計に占める普通建設事業費の合計は、2,325億0,296万円で同3・3％増と、今春の統一地方選を控えて骨格編成とする市も多い中で伸びている。

　一般会計の総額が前年度より増額しているのは37市中26市で、7割を超えた。普通建設事業費については、増額が37市中19市で、減額(18市)とほぼ拮抗している。一般会計が増額する要因は主に、扶助費など義務的経費の増額となっている。

　一般会計が全市で唯一2ケタ増となった富津市(前年度比10・7％増)では、普通建設事業費も同54・8％増。天羽中学校の校舎改築工事が本格化するほか、海岸橋の補修工事に着手することなどから、前年度に比べて大幅な増額となった。

　富津市に次いで一般会計が9・6％増となった市川市は、同会計の総額を1,578億円とする。工事が本格化する新第1庁舎の整備事業が28億円余の増となることなどのほか、小塚山公園整備事業や行徳臨海部の再整備事業などといった新規の施策、市川漁港整備事業の推進などで、普通建設事業費も前年度比39・1％の増とする。

　また、前年度当初予算が骨格編成だったため、同比8・9％の増額とした匝瑳市でも、パークゴルフ場整備事業や、学校でのトイレ改修事業などといった建設関連予算を投じる考えでいる。

　一方で一般会計が減額となった主な市についてみると、前年度比11・9％減と2ケタの減額となった香取市は、山田地区統合小学校の整備や、水道施設統廃合事業が終了したことに加え、事業仕分けに伴う事業の見直しなどの影響で2年連続のマイナス編成。宇井成一市長は、将来に予想される債権償還など、厳しい財政見通しにより大幅な緊縮財政を図ったと説明している。これに伴い、普通建設事業費も同59・6％減と、6割近い減額となった。

　白井市の一般会計もまた、前年度比6・2％減の197億円余。同市としては4年ぶりのマイナス編成で、学校給食共同調理場の建替事業や、市営水道の配水場建設など、大規模な建設事業が完了したことに伴うものとなっている。

　普通建設事業費が前年度比でプラスとなった主な市をみると、15・7％の伸びとなった千葉市(446億7,583万円)では「予算を復元する」とし、これまで事業費を抑制していた事業のうち、特に市民生活に密着した分野について、公園等・街路樹の維持管理に前同4億6,200万円増の22億円、道路の維持管理に同7億円増の78億円、河川等維持管理に同6,100万円増の2億5,000万円を計上している。

　一般会計が過去最大となった館山市は、普通建設事業費が61・0％増と鋭い伸び。船形館山線(船形バイパス)の整備事業に5億6,924万円を計上したのが大きい。同様に58・9％増の伸びを見せた茂原市は、経年劣化が進んでいる市民体育館や、冨士見中学校の大規模改造事業で債務負担行為を設定、いずれも複数年で事業を進めていくのが目立っている。

　投資的経費が43％余の増となる流山市は、2カ年で新設小学校の建設事業に着手するため、予算案で19年度分として、19億7,572万円を計上。同35・5％増となるいすみ市では、設計施工一括方式(DB方式)で発注した国吉中学校建設事業で工事費を盛り込んだことのほか、大原小学校の屋内運動場や、海洋センターで大規模改修工事に着手する。