地価、7年連続上昇 全用途で4.2%増 宅地上昇は全国2位

 2019年の公示地価が19日に公表された。宮城県の地価は18年より全用途の平均変動率が4.2%上昇。7年連続で地価が上がった。住宅地に限ると平均変動率が前年比で3.5%上昇し、全国で2番目の上昇率となった。仙台市内ではマンション用地として住宅地の需要が高まり、JR仙台駅の東部に位置する小田原周辺の地価上昇が目立っている。
 今回の地価公示は、1月1日時点の地価の変動を地域別に調べた。宮城県では33市町村の575地点(住宅地412地点、宅地見込地3地点、商業地147地点、工業地13地点)を調査した。
 調査地点数は前年と同数だが、575地点のうち11地点は調査地を選定替えした。継続して調査した564地点のうち、前年より上昇したのは約7割に当たる390地点。このうち、297地点は仙台市内だった。一方、119地点は前年より下落した(横ばいは55地点)。
 全国の平均変動率は、全用途で1.2%の上昇だった。これに対し、宮城県は4.2%上昇と、全国平均を大きく上回っている。上昇幅も前年より0.9ポイント拡大した。1平方m当たりの平均価格は全用途で12万5600円となり、前年より1万2300円高くなった。
 宮城県内35市町村のうち、都市計画区域がない七ケ宿町と色麻町は調査の対象外。調査した33市町村のうち、全用途の地価が前年より上がったのは▽仙台市7.1%▽名取市5.8%▽角田市0.5%▽多賀城市1.7%▽岩沼市3.2%▽富谷市4.8%▽大河原町2.4%▽柴田町2.0%▽利府町1.9%▽大和町3.2%▽大衡村2.4%──の11市町村だった。仙台市を軸に、近郊の名取市、富谷市、利府町で引き続き地価が上昇している。
 

住宅地は3.5%上昇 仙台駅東で地価上がる

 住宅地を限定して地価を見ると、宮城県の平均変動率は前年より3.5%の上昇となった。上昇率は0.8ポイント拡大。全国平均の0.6%上昇を大幅に上回り、住宅地の上昇率では沖縄県の8.5%上昇に次ぐ2番目となった。2年連続で全国2位の上昇率となった。1平方m当たりの平均価格は6万3600万円となり、前年より3600円高くなった。
 住宅地で調査した412地点のうち、継続調査したのは408地点。このうち、約7割に当たる284地点は前年より地価が上昇した。90地点は下落、34地点は横ばいとなった。
 33市町村の中で最も上昇したのは名取市。前年より6.1%上昇した(1.9ポイント拡大)。名取市の1平方m当たりの平均価格は5万6700円で、前年より4100円高くなった。このほか、仙台市が5.8%上昇、富谷市が5.1%上昇している。
 近年では地下鉄東西線の開業により、仙台市内では若林区連坊や若林区大和町周辺で地価の上昇が目立っている。これに加え、今回の調査では仙台駅東口の再開発の影響により、宮城野区小田原および青葉区小田原周辺の地価が上昇していることが分かった。また、東北大学旧農学部跡地の開発の影響で、青葉区堤通雨宮町や青葉区上杉、青葉区柏木周辺の地価も上昇している。それらは都心部のマンション用地として、希少価値が上がっているようだ。
 県内の住宅地で、昨年より最も地価が上昇したのは「宮城野区小原田弓ノ町102-16」。前年より14.9%上昇した(前年より6.7ポイント拡大)。周辺には国道45号が通り、榴岡小学校が近い。1平方m当たりの価格は34万8000円となり、前年より4万5000円高くなった。
 次いで上昇したのは「青葉区小田原5-2-11」で、同14.6%の上昇(同5.9ポイント拡大)。常盤木学園高校より西側に位置し、付近を宮町通りが通っている。1平方m当たりの価格は15万7000円で、前年より2万円高くなった。
 住宅地で最も地価が高かったのは、10階建てのマンション「プラウド錦・上杉通」が建っている「青葉区錦町1-1-30」。8年連続で県内の最高価格地となった。前年より14.5%上昇(同8.3ポイント拡大)し、1平方m当たりの価格は35万5000円(同4万5000円高)だった。

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