河川4カ所で緊急対策 河道掘削や堤防強化など(北上川下流)

[2019/4/20 宮城版]
 国土交通省北上川下流河川事務所は、重要インフラの緊急点検結果を踏まえた防災・減災、国土強靭化のための緊急対策として、本年度は河川4カ所で河道掘削や堤防強化などを行う。4カ所のうち、若針地区(松島町)と三本木地区(大崎市)は新規事業箇所で、堤防裏の法尻補強を進める。
 緊急対策は、2018年7月豪雨などの災害を踏まえ実施した重要インフラの緊急点検結果に基づき、洪水時や堤防決壊時の危険性への備えとして、河道掘削、樹木伐採、法尻補強などを実施する。
 同事務所では本年度、吉田川中流地区河道掘削事業、若針地区堤防強化事業、三本木地区堤防強化事業、江合川下流地区河道掘削事業の4つのプロジェクトに取り組む。
 吉田川中流地区(大崎市~松島町)は、本年度に鳴瀬川と合流する付近の同市鹿島台で、延長約1km区間を対象に約6万立方mの河道掘削を行う見通し。
 同地区は15年9月の関東・東北豪雨で堤防天端付近まで水位が上昇するなど、氾濫の恐れがあった。このため、同年度に河川改修事業をスタートし、河道掘削を進めている。19~27年度の9年以内に全体完成を予定している。
 若針地区は、堤防が暫定形で整備されており、うち本年度は延長約200m×2カ所で裏法尻補強を行う。補強方法は大型連結ブロックの設置を想定している。
 若針地区の工事は、吉田川中流地区の一部工事と合わせ、「吉田川中流川道掘削工事」として第2四半期に一般競争入札で発注する見通し。工事内容は1万5000立方mの河道掘削、3500平方mの裏法尻補強。概算工事規模は1億~2億円。工期は約7カ月。
 三本木地区は、暫定形となっている両岸の堤防で裏法尻補強を施工する。本年度の工事は第2四半期に一般競争入札で発注する。工事内容は、5000立方mの築堤盛土、4500平方mのブロック張りによる裏法尻補強、2万5000平方mの舗装工。概算工事規模は1億~2億円。工期は約7カ月。
 江合川下流地区(涌谷町)は、本年度に約1万5000立方mの河道掘削、約6万立方mの河道整正、約8万4700平方mの樹木伐採を行い、事業完成を目指す。
 工事は3件に分け、下町地区、北田地区、佐平次地区の3件に分け、18日に一般競争入札を開札しており、落札決定に向けた手続きを進めている。

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