処分場候補地を選定委託 県の産廃施設(宮城県)

[2019/4/24 宮城版]
 宮城県内の産業廃棄物最終処分場で埋め立て満了が近づく中、宮城県は2019年度に、今後の処分場整備に関する基本方針をまとめ、整備候補地の絞り込みに着手する。埋め立て容量220万立方m規模の処分場を、宮城県が主体的に関わって建設する方針だ。本年度中に3カ所程度の候補地を選定する考え。一般競争入札によって調査・選定に関する業務を委託することとし、5月8日まで入札参加を受け付ける。
 宮城県内の産業廃棄物最終処分場は、公営、民営とも埋め立て満了が近づいている処分場ばかりとなっている。宮城県が保有する唯一の公営産業廃棄物最終処分場「クリーンプラザみやぎ」(大和町)も、埋め立て容量1072万6000立方mのうち、2017年度末で93%に当たる997万3362立方mが埋め立て済み。残余容量は75万2638立方mで、2026年3月には満了になる見通しだ。
 仙台市や登米市、東松島市にある7カ所の民間最終処分場も、今後10年以内に満了となる。
 今後の最終処分場建設に関し、宮城県は18年から「今後の産業廃棄物最終処分場のあり方検討懇話会」を開いて業界団体、有識者らの意見を聞いている。
 最終処分場の建設は環境問題が絡み、地域住民の合意を得るのが困難だ。民間が単独で建設するのはより難しいため、宮城県は同懇話会に対して「公共機関が主体的に整備する最終処分場の建設が必要」との見解を示している。この考えに委員らも賛同している。
 同懇話会は夏までに、残り2回の開催を予定している。そこで出された意見を踏まえ、宮城県は新処分場に求められる規模や機能、スケジュールなどを盛り込む「産業廃棄物最終処分場整備基本方針」を、秋ごろまでに策定する。
 基本方針が策定されれば、続いて県は具体的な整備候補地を絞り込んでいく。候補地選定に関し、宮城県は「産業廃棄物最終処分場整備候補地選定調査等業務」を委託することにした。宮城県内に事業所があり、宮城県の入札参加資格で「物品調達」に登録している事業者を対象に、5月8日まで入札参加申請書を受け付ける。
 参加条件として、過去5年間に国や地方公共団体が委託した「最終処分場候補地選定業務」を履行した実績を求める。入札書の提出は5月10日から13日まで。開札は14日。
 候補地選定調査等業務で想定している最終処分場は「管理型」で、埋め立て容量は220万立方m規模。20年の埋め立て期間を見込む。対象となる産業廃棄物は、クリーンプラザみやぎで受け入れている▽汚泥▽廃プラスチック類▽ゴムくず▽金属くず▽ガラスくず▽コンクリートくず▽がれき類▽廃石綿▽廃石膏ボード──などを想定している。
 同業務では最初に30カ所程度の候補地を挙げ、段階的に絞り込んで最終的に3カ所程度まで厳選する。候補地の土地利用計画、地形などを調べ、適地かどうかを検討する。また、公営か第3セクター方式かといった運営方法の比較検討も行う。履行期間は2020年3月27日までとなっているが、候補地選定はデリケートな問題だけに、履行期間が延長される場合もある。
 宮城県は同業務を委託しながら、本年度後半からは候補地選定に向けた有識者会議を開いていく方針。委託者から業務成果を段階的に受領し、有識者に示して意見を取りまとめていく。

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