新中学校の整備 基本計画案示す 小牛田駅東にRC3階6475平方m(宮城県美里町)

[2019/5/15 宮城版]
 宮城県美里町の教育委員会臨時会が5月14日に南郷庁舎で開かれ、町は統合によって設立する新中学校の施設基本計画案を示した。JR小牛田(こごた)駅の東側に建設する新中学校について、より具体的な施設規模や事業費、スケジュールなどの原案を示したもの。事業費は土地や備品購入費を含め、税込54億7375万円を試算した。2019年度中にPFI方式の導入可能性調査を実施し、整備手法を確定させる考え。2024年4月の開校を目指す。
 美里町は2018年度に小牛田中学校、不動堂中学校、南郷中学校の3校を統合し、小牛田駅東地区の農地約6.8ha内に新中学校を設立する方針を決めている。
 教育委員会に示した新中学校施設基本計画案では、学校施設の必要規模や事業費などを精査し、これまでより具体的に示した。
 整備地は小牛田駅から450mほど東側に位置する美里町字新峯山の水田地帯。町は土地約6.8haを取得し、このうち約4haを学校の敷地として造成する。洪水に備え、浸水深1~2m以上の地盤を確保できるように盛土する。敷地の東側には防災調整池も整備する。
 敷地の造成とともに、上下水道などのインフラや雨水排水路なども整備する。事業費は造成や防災調整池、雨水排水路などの整備に7億7396万円、上下水道などインフラ整備に1億円を試算した。
 3校を統合した場合、生徒数は2024年度の開校時に560人と推計している。1クラス30人未満の学級に編成することを念頭に、3学年で21クラス(1学年7クラス)が必要になる。それを満たす校舎の規模は、RC造3階建て延べ6475.2平方mとした。校舎の建設費は本体と電気・機械設備を合わせ、20億0764万円を見込む。
 体育館は2階建て延べ1584平方mを想定。工事費は5億2329万円を見込む。学校施設はこのほか、武道場(平屋438平方m)や屋外プール(25m×6コース、704平方m)、野球やサッカーに対応するグラウンド(1万5147.4平方m)、駐車場(125台、3784.5平方m)、駐輪場(300台、340.2平方m)などを整備する。給食棟(平屋588平方m)も整備し、自校で提供する。
 校舎や体育館、グラウンドなど学校施設の工事費は計37億7124万円を試算。また、これらの基本・実施設計には3億4712万円を試算した。土地の造成やインフラ整備も含めた測量・設計および施工監理には、計4億2452万円を見込んでいる。

PFIで整備検討導入可能性調査を委託

 美里町は近隣の大崎市が古川南中学校の整備・運営にPFI方式を導入したことを参考に、新中学校の整備・運営にもPFI方式の導入を検討している。そのことから、2019年度中にPFI導入可能性調査を実施し、その結果を踏まえて本年度中に整備手法を決定する。第1四半期中に導入可能性調査業務を委託することにしている。
 町は19年度中に農地6.8haを取得することとし、土地の鑑定調査を行う。現況測量や用地測量、地質調査も行う。農地は一定程度の地盤沈下が見込まれることから、造成工事の前にプレロード盛土を行って地盤を安定させる。
 土地の造成については2019年度に造成基本設計、2020年度に造成実施設計を入札によって委託する。
 PFI方式で新中学校の整備・運営が見込めるとなれば、町は本年度後半から事業者の募集と選定作業などを進めていく。特定された事業者には2021年度から建物に関する基本・実施設計に着手してもらい、並行してグラウンドの造成工事も3カ年で進めてもらう。
 校舎の建設は22年度から2カ年で実施してもらい、2024年3月までの完成を目指す。開校は翌4月の予定。新中学校の完成後は、既存3校のうち小牛田中学校と不動堂中学校の校舎などを解体する。2校の解体には計1億9700万円を見込んでいる。
 新中学校の施設基本計画の策定支援は、国際航業(仙台支店・仙台市若林区)が担当している。

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