医療センター跡地が最適移転候補地4カ所示す 駅に直結・好条件(県民会館あり方検討会)

[2019/5/30 宮城版]
 宮城県民会館の移転改築を検討する「第3回県民会館の整備のあり方に関する有識者会議」(座長・志賀野桂一東北文化学園大学特任教授)が5月29日、宮城県庁で開かれた。宮城県は移転候補地として仙台医療センター(仙台市宮城野区)の跡地など、仙台市内の4カ所を挙げた。交通アクセスの良さなどが評価され、7人の有識者全員が仙台医療センター跡地を最適地と判断した。
 県民会館の整備のあり方に関する有識者会議には、コンサートホールやイベント開催に詳しい有識者7人をはじめ、大森克之環境生活部長ら宮城県職員約10人が出席した。
 1964年9月に竣工した県民会館は、建物や設備の老朽化が著しくなっている。2回目までの会合で有識者らは、「県民会館は現地改築が難しく、2000席規模のホールを建設する場合は移転改築が妥当」との考えで一致している。
 今回の会合で県は、今後の活用方法が検討されている仙台市内の県有地4カ所を移転候補地として示した。このうち、すでに更地になっているのは▽裏圃場跡地(宮城野区安養寺)▽運転免許試験場市名坂庁舎跡地(泉区市名坂)――の2カ所。既存建物の用途廃止が予定されているのが▽暫定オフサイトセンター(旧消防学校跡地=宮城野区安養寺)▽仙台医療センター跡地――の2カ所。
 候補地を選定する場合、集客を高めるために交通アクセスを考慮したり、建築制限など建物を建設する際の自由度を考慮する必要がある。これらの条件を踏まえた上で、有識者全員が仙台医療センター跡地を最適地として推した。
 新しい仙台医療センターは県有地である宮城野原公園総合運動場の敷地内に移転改築し、5月1日に開院したばかり。新センターに隣接する跡地を、宮城県は国立病院機構から土地交換によって取得することにしている。
 同地は仙石線・宮城野原駅に直結しており、有識者らは「年配者でも電車を利用して楽に行き来できる」と交通アクセスの優位性を利点として挙げた。また、用途地域が「近隣商業地域」に指定されていて、建ぺい率80%、容積率300%という基準になっている点も、一定の高さがある建物を建設しやすいとして利点に挙げた。
 その一方、懸念されることとして、楽天生命パーク宮城に近接していることから、プロ野球とコンサートの開催が重なった際の周辺混雑や、駐車場として整備する用地の少なさなどを問題点に挙げた。
 会議ではこのほか、仙台市が整備を表明している音楽ホールとの比較検討も行われた。仙台市は宮城県より先に、2000席規模の音楽ホールを建設することを決め、9カ所の候補地を挙げている。宮城県はこれについて需要予測調査を行った結果、「宮城県が同規模のホールを建設しても、興行数が一定程度あり、供給過剰になることは想定されにくい」との調査結果を得ている。
 当初は仙台市が建設する音楽ホールとの競合を避け、すみ分ける考えもあったが、有識者らは議論の末、「すみ分けありきで考えると、用途や規模が制限されてしまう」との考えに至り、仙台市が建設する音楽ホールをあまり意識しないで議論していく方向で一致した。
 同会議は8月下旬に予定される次回会合が最終回になる見込み。有識者らは改築する建物の規模や付加する機能などについて、一定の方向性を示す考え。
190530-1面_宮城版_県民会館のあり方検討会

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