安定経営へ活発な意見 関東地整と意見交換(県建設業協会)

[2019/8/10 千葉版]

協会側が提出した2つのテーマが話し合われた

協会側が提出した2つのテーマが話し合われた

 県建設業協会(畔蒜毅会長)と、国土交通省関東地方整備局(石原康弘局長)を中心に、本県県土整備部や千葉市土木部も参加する、2019年度の意見交換会が9日、千葉市中央区のオークラ千葉ホテルで開かれた%2(写真)%1。協会側から役員を中心に20人余、発注者側も同整備局からの20人余を含む30人余が出席する中、先を見通せる中長期の計画に基づいた予算の確保や、地域建設業の受注機会確保などに対する要望と、これに対する回答などで活発な意見が交わされた。

 会の冒頭、あいさつに立った石原局長は、久々の大型予算が組まれ、このしっかりとした活用を図りたいとするとともに、新担い手三法が成立し、今後策定される運用指針でも、適正な工期や復旧工事での随意規約の積極的な活用などについての文言も盛り込まれるだろうとする一方、まだまだ残された課題も多く、忌たんのない意見を聞かせてほしいとした。

 県土整備部からもまた、河南正幸部長があいさつ。「地域の守り手」である建設業が持続可能な環境づくりのため、発注者として適正工期や発注時期平準化、ITCの推進に取り組んでいくことに理解を求め、今後もタッグを組んでいきたいと呼び掛けた。

 これらを受けてあいさつした畔蒜会長は、記録的な集中豪雨で深刻な被害が発生した西日本豪雨から1年が経過し、今年も九州地方への台風8号の上陸などが続く中、国が3カ年で国土強靭化緊急対策を進めていく方針こそ示したものの「災害の規模が、近年はレベルが数段上がり、われわれ地域建設業が『災害対応空白地帯』を生み出さないよう、その守り手として活動を続けるには、経営基盤の強化・安定が大前提」だと強調した。

 畔蒜会長はこれに向けて、安定的で継続的な公共事業予算の増額確保や施工時期の平準化、市町村に対する品確法の運用指針徹底に向けた対応、働き方改革の前進が不可欠だとし「踏み込んだ意見交換を通じ、受発注者双方の意志疎通が図られる機会になることを願う」とまとめた。

 議事ではまず、関東地方整備局側からの情報提供として、19年度の入札・契約、総合評価の実施方針や、建設産業行政の最近の動きについて説明。続けて協会側から、その活動状況について報告があり、自然災害への対応や、イメージアップのための周知活動の推進に加え、上部団体から表彰も受けた、駅へのポスター掲示などによる広報活動などが紹介された。

 この後、前年度に受けた意見・要望に対して、関東地方整備局が対応状況を報告。今月から総合評価方式について、週休2日の取り組み実績を段階的な加点評価に見直すことなどの進ちょくが説明されたのに続き、意見交換では同協会側から、中・長期計画に基づく公共事業予算の継続的な確保に加え、地域建設業に対する受注機会の確保を大きなテーマとする要望として投げ掛けられた。

 このうち予算の継続的確保については、同整備局の19年度予算が補正と合わせて前年度比1・09倍になっていることや、国土強靭化計画にも大きな予算が投じられることに理解を求め、受注機会の確保についても、地域防災担い手確保型の継続に加え、実績のない企業でも、地元自治体の実績を評価する試行工事にも取り組んでいくなどと回答した。

 自由討議では、週休2日制への補正を一般管理費にも適用してほしいといった要望や、設定工期と現場とのかい離の是正(事故繰越など)、改正品確法などの地方自治体への浸透などを求める声があった。

 この意見交換会は、民と官が一体となり、県内建設業者の受注機会の確保や入札・契約手続き、総合評価方式などのあり方、現場管理や工種・工程の各段階での問題など、受発注者双方が抱える諸問題の改善に向けて意見を交換することを目的とし、例年関東地方整備局が管内各都県を回りながら開催されている。

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