複合施設を年度内着工 介護・医療・文化の提供 野蒜ケ丘に新築(日本医療開発機構)

[2019/12/10 宮城版]
 NGO日本医療開発機構(東京都八王子市、北原茂実理事長)は、東松島市野蒜ケ丘地区に医療・介護・文化活動・宿泊・温浴などの機能を備えた複合施設「東松島いろどりの丘」を建設する。年内に施工者を決定し、来年2月末ごろに建築着工して、同10月ごろの竣工を予定している。建築費は約4億円を試算している。
 複合施設の敷地面積は約7400平方m。建物は木造一部2階建て延べ1007平方mの規模。1階に診療所、介護施設、アトリウム(大広間)、多目的ルーム、温浴施設を設け、2階にホテルと岩盤浴のスペースを確保する。新築設計は本間總合建築(東京都台東区)がまとめた。
 診療所は、医療社団法人KNI(東京都八王子市、北原茂実理事長)が東松島市川下字内響地区に開設している外来診療所「北原ライフサポートクリニック東松島」の機能を複合施設に移すことを想定。介護施設は、小規模多機能型居宅介護事業所で、登録定員が29人、居室が9部屋となる。
 アトリウムは、レストランと大きなリビングで構成し、市内外の利用者が憩える場所とする。多目的ルームは防音と遮光の仕様を取り入れ、演奏会や映画会、展覧会などに活用できるようにする。放課後に子どもたちが訪れ、文化を学べるようにもする。
 ホテルは5部屋を設け、一般の宿泊客だけでなく、診療所や介護施設への通所者が入院するような形で利用することを可能にする。岩盤浴ではヨガを体験できるようにする。このほか、医学的なフィットネスが行えるスペースも確保する。
 複合施設は最初に診療所をオープンさせ、その後は段階的に供用を開始していく。完成後は日本医療開発機構とKNI、株式会社のキタハラメディカルストラテジーズインターナショナル(東京都八王子市、壇香代表取締役)が連携して運営する。
 KNIによると、最小限のスタッフで効率的に運営することを目指しており、法定人員に縛られることなく、医療などの資格を持たないスタッフでも診療所や介護施設、ホテルといった複数の持ち場でフレキシブルに働けるようにする考え。
 野蒜ケ丘地区は、市が震災被災者の移転先として土地区画整理事業で造成した新市街地。同センターの建設場所は市有地で、すでに造成が完了済み。市が土地を貸与する。
 KNIは1995年に法人を設立し、東京都八王子市に「北原脳神経外科病院」(現・北原国際病院)を開設。それ以降、「北原リハビリテーション病院」や「北原ライフサポートクリニック」などを開設している。既存の「北原ライフサポートクリニック東松島」の診療科目は、内科、脳神経外科、リハビリテーション。

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