受託候補者に日建設計 建替基本・実施設計プロポ(船橋市立医療センター)

[2020/4/16 千葉版]
 船橋市病院局は15日、金杉1丁目にある市立医療センターの建て替え設計に伴う公募型プロポーザルで、日建設計(東京都千代田区)を受託候補者に特定した。基本設計に加えて実施設計まで委託するもので、契約後は履行期間として22年3月末までの2カ年で業務が進められる見通し。委託費として市は8億4,526万2,000円(税込み)を概算していた。プロポーザルには3者が参加したという。

医療センターの移転予定地となる海老川上流地区周辺の現状

医療センターの移転予定地となる海老川上流地区周辺の現状

 受託候補者と併せて公表された審査講評によると、設計発注準備業務を担当した日建設計の提案は、その成果を踏まえて発展を目指した堅実なものだったとし、計画する病院が50年以上のライフサイクルで、その間の医療技術や制度の変化にフレキシブルに対応していくためのさまざまな工夫があったとした。

 また、自然災害への対策や省エネルギー対策も具体的であるなど、きめ細かい提案があり、病棟については全個室病棟での「4in1」と称する看護作業スペースを中心とした病室配置を提案し、看護動線短縮を目指すなど、全体の完成度が高かったと評している。

 市では「メディカルタウン構想」の核となる医療センターを、現在地の南側で計画されている海老川上流地区土地区画整理事業地内にある約4万5,000平方mの敷地に移転改築させる計画。既存より52床増の501床を配床するのに必要な延床面積として約5万平方mを想定するとともに、階数を含む構造などは設計の中で詰めるとしている。新建物の工事費には約290億円を概算した。

 市立医療センターの基本設計発注に備え市は19年度、委託に必要な諸条件を整理する建替基本設計発注準備業務を日建設計に委託。発注方式の検討支援をはじめ、設計に当たっての与条件の整理や、移転候補地の検討支援、概算事業費の作成、全体スケジュールの作成、基本設計に向けた課題の整理などを進めていた。

 この発注準備業務と並行して市は「新しい市立医療センターのあり方に関する検討委員会」も引き続き開催。20年度に基本設計、その後20~21年度にかけて実施設計を進め、21~23年度の建設工事と、23年度中の開院を目指す。

 これらに先立つ基本計画の策定は、アイテック(東京都中央区)に委託するなどしてまとめた。

 「メディカルタウン」として市が、今回建て替える医療センターを軸とした医療・福祉施設などの整備を誘導する海老川上流地区では、今年4月に地権者ら198人で構成する「船橋市海老川上流地区土地区画整理組合設立準備会」(伊藤英彦会長)が創設。その業務代行者としてフジタを迎え、21年3月には正式な組合として発足、22年度に事業着手する予定となっている。

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