宿舎跡地の活用検討 解体2弾を年度内発注 気仙沼市「からくわ荘」

 気仙沼市は、唐桑町崎浜地区の国民宿舎「からくわ荘」を解体撤去しており、本年度に第2弾目の解体工事を発注する。併せて、跡地の利活用を検討する。跡地は隣接するキャンプ場との連携などを視野に入れており、利活用に向けた調査業務をアウトドアメーカーに委託することを考えている。
 「からくわ荘」は、敷地面積が約6000平方m。建物はRC造3階建てで、本館棟や会議室棟、宿泊棟A~C棟などで構成されている。1968年に建てられ、昨年3月末で営業を終了した。解体の概算事業費は3億5000万円。昨年度の一般会計8月補正予算では1億0322万円を計上。この中にはアスベストの調査委託費として2百数十万円が含まれていた。
 解体工事は、その1工事の一般競争入札を3月18日に開札し、東北黒沢建設工業(仙台市若林区)が7277万7000円で落札。予定価格は8005万4700円だった。工事対象の施設は、RC造3階建て延べ653平方mの宿泊棟A、同415平方mの宿泊棟B、渡り廊下、ポンプ室棟。
 残る本館棟や宿泊棟Cなどの解体撤去工事は、不足する分の工事費を別途予算計上した上で、その2工事として年度内に発注する予定。場合によっては工事をさらに分割する可能性がある。
 跡地に関しては、調査を委託するに当たり、民間活力を利用することが条件となっている。オートキャンプ場などアウトドア関係の跡地利用も視野に入れながら、地域住民と話し合って具体的な利用方法を決める。
 「からくわ荘」に隣接する県の唐桑半島ビジターセンター・津波体験館については、県が再整備事業を計画しており、基本方針の策定に向けた調査業務を構建築設計事務所(仙台市青葉区)に委託した。業務成果を踏まえ、施設運営を担う地元の観光協会や市と協議して再整備のあり方を決める。
 同センターはRC造平屋400平方mの規模で、地元の自然を紹介する展示コーナーなどが設けられており、同68平方mの津波体験館が併設している。1984年の開館で、施設が老朽化しているほか、展示の見直しなどが必要になっている。

漁火パークの2階改修

 
 同市は「からくわ荘」が備えていたコンベンション機能について、漁火パークの2階部分を改修して代替機能を確保する。改修では洋式の宴会場や倉庫を設ける。宴会場の広さは160平方mを確保し、パーテーションで区切れるようにする。現在は和室や廊下、風呂場、更衣室などが配置されている。風呂場はすでに使われていない。
 改修に向けた設計業務は、気仙沼建築設計事務所(気仙沼市)に委託した。デザイン性の高い特殊な建物のため、業務委託に当たっては建設当時に設計を担当した同社と随意契約した。履行期間は8月31日まで。
 担当課の観光課では、可能ならば年度内に改修工事を発注したい意向だが、まだ工事費が予算計上されていないため、着工時期は未定となっている。

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