役場庁舎を建替へ 年度内に検討会組織(九十九里町)

[2020/6/18 千葉版]

建て替える方向性が示された役場庁舎

建て替える方向性が示された役場庁舎

 九十九里町は、築51年余が経過するなど老朽化した町役場庁舎の整備について、「可能な限りコストを縮減したコンパクトな庁舎を新たに建設する」との方向性を固めた。課長級の職員からなる公共施設等マネジメント推進本部会議を設立するなど、庁内で検討を進めていた。大矢吉明町長は、「今後は町民や有識者らを交えた検討組織を立ち上げ、スピード感を持って進めていきたい」と話している。

 海岸から1.1kmほど内陸に位置する九十九里町役場(片貝4099)は、1968年に竣工。規模・構造はRC造3階(塔屋1階)建て延べ1817平方m。施設本体と設備の老朽化が著しく進んでいるものの、これまで大規模な改修が実施されていない。また、津波浸水想定範囲にも含まれ、大規模地震が発生した際の危険性が指摘されていた。

 17年度に耐震診断を実施した結果、構造耐震指標(Is値)は0.45で、国の基準(0.6)を下回っていることが判明。震度6強以上の揺れで「倒壊または崩壊する危険性がある」と判断された。一方、コンクリートの圧縮強度は各階とも十分あり、コンクリートの中性化も進んでいなかった。整備費用は、「耐震改修」に6億1430万円、「建て替え」に31億円(うち本体工事費22億4000万円)が必要と試算された。

 そこで、町では、17年6月に公共施設等マネジメント推進本部(本部長・鈴木浩光副町長)を設立、同12月には庁舎建設基金条例を制定するなど、公共施設の配置を再検討、老朽化が著しい庁舎の再整備に向けた取り組みを進めていた。

 同町の担当者は、「具体的なメンバーや構成などは決まっていないが、住民を交えた検討組織を立ち上げることが必要と考えている。新庁舎の建て替えには、今の試算で35億円が必要となる。今後は、民間業者の知見などを活用しながら、創意工夫により、コンパクトで使いやすい、強靱な庁舎の建設に向けて取り組んでいきたい」と話している。

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