漂流物対策の検討委託 日本空港コンサルJVが候補 仙台空港に防護施設(塩釜港湾空港)

[2020/6/25 宮城版]
 国土交通省塩釜港湾・空港整備事務所は、「仙台空港津波漂流物対策施設整備効果検討業務」の簡易公募型プロポーザルで、日本空港コンサルタンツ・エコー設計JVを受託候補者に特定した。今後に同社と見積もり合わせして契約を結ぶ。この業務では、仙台空港に津波漂流物の防護施設を新設するため、効果的な施設の構造や配置などを検討する。
 防御施設は鉄柱や柵、壁、フェンス、ネットなどを想定。ポールとポールの間にワイヤーを張っている仙台港の津波対策なども参考にしながら、費用対効果も踏まえて最適な施設を検討・選択する。その際は、どの方角からどの程度の漂流物が流れ込むかも見極める。
 今回委託する業務の内容は、資料の収集整理、現地調査、構造検討、整備効果の検討、結果の整理。履行期間は2021年2月26日まで。業務成果を踏まえて具体的な施設のあり方や配置計画をまとめる。
 仙台空港は、飛行場の面積が238万6255平方m。大震災津波で空港全体が浸水する被害を受けた。旅客ターミナルは海岸線から約1・2kmに位置しているが、浸水高は旅客エプロン付近で約2mに及んだ。敷地内には周辺のレンタカーショップや駐車場から大量に車が流れ込んだほか、家屋の家財や防風林の樹木などが押し寄せた。
 空港の復旧・復興に向けては、仙台空港復旧・復興のあり方検討委員会(委員長・奥村誠東北大学教授)を開き、有識者と対策を協議。2012年3月1日開催の第3回会合では、委員会からB滑走路と誘導路のかさ上げや、航空機退避エプロンの整備などとともに、津波漂流物対策施設の必要性が提案された。
 当時の提案では、延長3kmにわたって杭タイプの鉄柱やガードケーブルタイプの柵を設けることとなっている。鉄柱や柵の高さは1~5mで、設置場所の優先範囲を第1と第2に分類していた。
 その後、空港の内外で復旧・復興事業が進み、周辺の状況が大きく変化したため、改めて津波漂流物対策施設のあり方を考えることにした。

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