県21年度当初予算の要求概要 公共事業費は435億円規模 指定事業を合わせ減額試算

[2020/10/13 栃木版]

 県財政課は2021年度当初予算の要求の考え方をまとめ、各部局に通知した。予算編成方針の考え方では、[1]中期的な視点に立った財政運営を行うことを基本に、次期行財政改革大綱に掲げる財政健全化の取組の実行[2]新型コロナウイルス感染症の今後を見据えた施策や、元気発信プランに続く次期プランと第2期創生15戦略の積極的な推進[3]国の予算編成や地方財政対策への適切な反映-を挙げた。県単公共事業費を含む公共事業関係費については、20年度比で国庫・県単ともに1.00倍以内とし、直轄事業負担金を含む公共事業費は、那須庁舎整備などの指定事業を除く8億円減の435億円を試算している。

 21年度当初予算要求基準では、20年度比で2.4ポイント減の6204億円規模。20年度に比べ、県税や地方譲与税等の総体的な減額を見込んだ。歳出面では、引き続き医療福祉関係経費の増加とともに、新型コロナウイルス感染症への対応が見込まれ、財源不足は15億円多い109億円を試算した。

 要求基準表によると、21年度当初予算一般財源相当額で、公共事業費、直轄事業負担金、県単公共事業費(従来分)、学校建築費、交通安全施設整備費ともに1.00倍以内とし、今年度を上回ることなく同程度の水準を維持するよう求めた。

 大規模建設事業や年度間の増減が大きな経費など、指定事業の対象経費や要求基準は別途通知するとし、同事業には県庁舎等長寿命化や那須庁舎整備、宇都宮東警察庁舎新築等を挙げた。20年度に比べ、公共事業費が8億円減、指定事業費等も100億円減を試算している。

 予算要求では、可能な限り財源不足額を圧縮できるよう、行革プランに基づき、各部局の主体的判断に基づく事務事業の見直しを一層進めるなど、行政コストの削減に努めるとともに、県税収入をはじめとする歳入の確保などに全力で取り組むとしている。

 投資的経費の要求の基本的な考え方は、財源として発行する県債の償還や整備後の維持管理費用などが後年度の負担となることを念頭に置くとともに、事業の優先順位、費用対効果などを検証した上で要求することとしている。

 特に、公共事業については、要求基準内で要求することはもとより、国への要望、補助申請に当たっても財政課と事前に協議の上、国に対して申請する事業について調整を図ることとした。直轄事業負担金については、国と事前に協議を行い、本県としての優先順位が反映されるよう調整を図ることとしている。

 県単公共事業費などについても、事業の優先順位や費用対効果などを踏まえ、緊急で必要な事業に限定して要求する。また、国庫補助事業の採択基準に適合する箇所は要求しないこととした。これらの事業は、通年予算であることに留意し、関係機関との調整を行う。

 本庁舎や地方合同庁舎を除く各種施設の修繕は、教育施設が教育委員会、警察施設は警察本部が所管し、このほかの知事部局などの営繕費は建築課が要求する。施設の新築・増改築は、財政課に要求するものの、新築については「土木・建築工事受託実施取扱要領」に基づき、規模・金額などを事前に財政課や技術管理課と協議することとし留意を呼び掛けた。

 歳出における投資的経費の要求概要は次の通り。
▽各種の建設事業については、その必要性、優先順位、投資効果や将来の財政負担を十分考慮し、計画的に実施すること
▽事業効果の早期発現の観点から、継続事業の着実な推進を図ることを基本とすること
▽新規事業の採択に当たっては、必要性や優先順位、後年度負担などについて十分な検討を加えるほか、事業実施に団体などの負担を伴う場合には、適正な負担割合によること
▽施設の整備に当たっては、事前に現地調査や関係部局との協議を十分に行い、遺漏のないようにすること。また、「建築工事積算調」を提出すること
▽公共工事については、常に効率的な執行などに意を用い、引き続きコストの縮減に努めること
▽土地取得関係経費については、緊急性、必要性を検討した上で、別途対応することとしているので、原則、予算要求は行わないこと
▽「県公共施設等総合管理基本方針」や個別施設計画等を踏まえた計画的な長寿命化対策については、「要求水準表」の経費の区分に従い要求すること

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