年度内にも基本計画 3000食規模 新共同調理場の建設(富津市)

[2020/10/15 千葉版]
 富津市は、新たな学校給食共同調理場の建設に向け、年度内にも基本計画をとりまとめる方針だ。1月に策定した学校給食共同調理場整備基本構想を踏まえ、庁内で検討を進めている。老朽化した調理場3カ所を1カ所に集約し、1日当たり最大3000食規模の共同調理場を新築する構想となっている。

 基本計画では、建設予定地でのゾーニングや事業手法、配送方法などの検討を進めていく。市教委は、年度内に基本計画をとりまとめ、2021年度にも設計業務に着手したい考えを示している。

 基本構想をみると、調理能力は無理なく供給できる食数として、1日当たり最大3000食とする。施設規模は、延べ床面積1350平方m程度、そのほか附帯施設(廃棄物保管倉庫や廃水処理施設など)、給食配送車の通路、調理場職員駐車場など全体で4100平方m程度を想定している。

 候補地として▽市役所本庁北側の福祉・教育施設建設予定地(面積約1万2000平方m)▽飯野コミュニティセンター隣の市有地(同8000平方m程度)▽佐貫中学校運動場跡地(同6500平方m程度)──の3カ所を選定。このうち、福祉・教育施設建設予定地が最も有力な候補地となっている。

 工事費は12億7305万円を概算。その内訳は、建設工事費(建築費用・厨房機器備品・事務用備品・実施設計・施工監理など)11億1455万円、敷地整備費(用地測量・地質調査)350万円、給排水施設整備費1億5500万円となっている。

 施設の基本的な考え方は、学校給食衛生管理基準に定められた学校給食施設の区分に基づき、作業区域を明確に区分する。ドライシステムを導入して、衛生管理の徹底を図り、給食の安全性を確保する。

 また、食物アレルギーを持つ児童生徒に対して、可能な限りアレルギー除去食などのアレルギー対応食が提供できる環境を整備する。新施設は限られた施設規模のため、見学スペースなどは設置しないこととする。

 既存の施設規模は、大貫共同調理場がRC造平屋585平方m(1985年竣工)、天羽共同調理場がRC造平屋540平方m(77年竣工)、青堀小学校調理場がS造平屋232平方m(80年竣工)。調理場の形態は全てウエット方式となっている。

 2019年5月1日現在の調理食数は、大貫共同調理場が1691食、天羽共同調理場が482食、青堀小学校調理場が697食となっている。

 同市の2共同調理場と1単独調理場は、それぞれ建築してから30年以上が経過し老朽化が著しい。さらに、調理に使用する設備や器具は耐用年数が経過した物が多く、建物と併せて老朽化が進んでおり、修繕を繰り返し行い維持している状況だ。いずれの調理場も衛生面や安全面で多くの課題を抱えているため、早期の対応が必要となっている。

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