県の当初予算 山武合同庁舎に着工 千葉リハCで実施設計 一般会計 骨格編成も過去最大

[2021/1/16 千葉版]
 森田健作知事は15日、会見を開き、2021年度当初予算案を発表した。一般会計は3月に知事選挙を控えていることから「骨格予算」として編成したものの、新型コロナウイルス感染症対策などを盛り込んだことから、対前年度比9.4%増の1兆9898億1700万円となり、過去最大の予算規模となった。山武合同庁舎の新庁舎建築工事や、千葉リハビリテーションセンターの実施設計などで債務負担を設定している。

 国の第3次補正予算を積極的に活用し、20年度2月補正予算と一体で切れ目のない予算とし、特に道路や橋梁、河川整備などの防災・減災対策を進めていく。政策的な判断を要する経費や補助制度の創設など新規事業、基盤整備のうち新規着手分などについては、「肉付け予算」として、6月補正予算で対応する方針だ。

 投資的経費は、継続中の工事や、工程上、年度内当初から着手することが必要な事業を中心に計上したことから、対前年度比26.2%減の1282億8500万円。このうち普通建設事業費は同31.9%減の1080億3400万円となっている。

 主要事業をみると、山武合同庁舎再整備事業では、旧庁舎の解体や仮設庁舎などで2億3800万円を計上するとともに、新庁舎の建設工事などで29億3600万円の債務負担を設定。東金合同庁舎の敷地内に仮設庁舎を建設し、山武合同庁舎から一時的に移転し、その間に庁舎の解体や新庁舎の建設を進めていく。

 千葉リハビリテーションセンター再整備事業では実施設計などに5億9500万円の債務負担を設定する。開設から39年経過し、施設や設備が老朽化しているほか、居室や訓練室などのスペースが不足していることから、県民のニーズに対応できるよう、建て替える計画だ。

 夷隅合同庁舎再整備事業では実施設計5864万円、敷地測量など636万円を予算化。再整備に当たり、防災備蓄倉庫を集約するなど、地域の防災活動拠点として必要な機能を確保できる近隣の土地に移転した上で、建て替える方針だ。

 水産総合研究センター再編整備事業では、東京湾漁業研究所の大規模改修に向けた実施設計などに7486万円、種苗生産施設の再整備に向けた基本設計などに7270万円を投じる。

 県立学校長寿命化対策事業で2億7920万円を配分。県県有建物長寿命化計画に基づき、3校19棟で調査・基本設計、8校40棟で実施設計を進めていく。

 市原高等技術専門校整備事業では、総合実習棟の建築工事に17億円の債務負担を設定。警察署庁舎整備事業では、富津警察署の建て替えに向けた実施設計に1億3066万円を充てる方針だ。

 道路ネットワーク事業では、467億3575万円を計上するとともに、167億0300万円の債務負担を設定。北千葉道路をはじめ、銚子連絡道路や長生グリーンラインなどのアクセス道路や地域に密着した道路整備を引き続き進めるとともに、圏央道大栄~横芝間の24年度開通に向けた整備促進を図っていく。

 一宮川流域浸水対策特別緊急事業では11億4000万円を予算化するとともに、3000万円の債務負担を設定。第二調節池の増設や堤防のかさ上げ6億3100万円、下流域の河道掘削1億1000万円、茂原市街地の局所的な改修1億4300万円、上流域や支川の対策検討2億5600万円などを盛り込んだ。

 成田空港周辺の地域づくりに向けた検討事業に3000万円を配分。成田空港のさらなる機能強化を最大限生かした周辺地域の活性化の実現に向け、民間事業者の参入しやすい地域づくりを進めるため、土地利用の規制緩和などに関する国家戦略特区制度の活用を目指す。

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