事業費283億円、27年度まで 408号宇高バイパス 地盤改良や工法変更

[2021/01/19 栃木版]

 県土整備部が整備を進めている国道408号宇都宮高根沢バイパス6600m(標準幅員31.5m)は、3カ所の立体化で地盤改良工を追加、JR宇都宮線架設により施工方法などが変更になるため、事業費が107億円増加の283億円、事業期間も2027年度まで3年間延伸されることが分かった。同部では、15日に開いた県公共事業評価委員会に変更内容を報告した。

 408号宇都宮高根沢バイパスは、09年度の事業化とともに用地取得を始め、12年度から工事に着手した。全体を3期工区に分け、1期の宇都宮市板戸町~県道宇都宮那須烏山線(鷺ノ谷交差点)まで2700mを17年2月、2期の県道宇都宮向田線(野高谷交差点)~板戸町まで2600mを19年5月に暫定2車線で供用。現在は、未供用の県道宇都宮那須烏山線鷺ノ谷交差点~国道4号まで1300mの整備に加え、暫定2車線供用区間の4車線化、主要交差点の立体化を推進している。

 県道路整備課によると、事業費の増額は工事内容の変更によるものとし、JR架設に伴う施工方法等の変更、地質調査結果に基づく地盤改良工と土質改良工の追加、橋梁杭基礎工の変更、消費税10%の変更や労務資材単価などの上昇とした。

 4車線整備に伴い、南側から野高谷交差点とテクノ街道交差点の2カ所を立体化。両交差点とも当初、深さ5m程度のプレロードによる地盤改良が必要と試算していたものの、野高谷立体で約11m、テクノ街道では約25mに変更が必要となった。工法も深層混合処理工法を採用する計画。

 野高谷立体は、橋長125mの上部が鋼3径間連続非合成細幅箱桁。下部工は杭基礎逆T式橋台2基、杭基礎張出式橋脚2基で構成。詳細設計を富貴沢建設コンサルタンツ(宇都宮市)が担当。テクノ街道との立体は、橋長44.3mで上部は鋼単純非合成鈑桁。下部工が杭基礎逆T式橋台2基で構成。詳細設計は大日本コンサルタント(東京都千代田区)が担当。

 未供用区間では、JR宇都宮線をオーバーパス。跨線橋は、上下線分離橋(上り50.9m、下り51.7m)の単純細幅鋼箱桁を採用。下部工は杭基礎箱式橋台4基。設計を建設技術研究所(東京都中央区)が担当。当初は送出し工法を軸に上下線ともに1カ年架設の検討を進めていたものの、軌電停止の制約から大型クレーンによる一括架設工法に変更するとともに、スケジュールを見直した。下部工施工に当たっては、10m程度の深層混合処理工法による地盤改良工事の追加も必要としている。

 見直しによる完了予定は、野高谷立体を含む1期2700mと2期工区2600mが23年度。2期工区のテクノ街道立体が26年度、3期工区の1300mの4車線化は27年度としている。

 整備効果では、北関東道真岡ICや東北道矢板ICへのアクセス強化、鬼怒川左岸地域の産業支援に加え、渋滞緩和による交通の円滑化と現道交通のバイパスへの転換による交通事故の減少などが見込まれるとした。

 コスト縮減の取組には、将来的な維持管理を考慮し、橋梁部の合成床版、JR跨線橋には耐候性鋼材を採用。工区内発生土を土質改良し、盛り土に使用、資源の有効活用に努めるとしている。

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