県都市整備課 5径間メタルで詳細設計 足利の中橋工区640m事業化へ

[2021/06/04 栃木版]
 県は、足利市の都市計画道路3・5・102号家富町堀込線(主要地方道足利千代田線)中橋工区640mについて、月内にも道路を含めた橋梁詳細設計を2分割で発注する見通しだ。同橋は予備設計で、一級河川渡良瀬川渡河部の上部工を鋼5径間連続細幅箱桁、北側のJR両毛線跨線橋部を鋼4径間連続鋼床版鈑桁とPC単純中空床版の諸元をまとめた。県都市整備課によると、国と県、市の役割分担を決め、今年度の事業化を視野に都市計画の変更手続きを進めていくとした。

 中橋工区は、現在の中橋を歩行者・自転車専用橋として下部工を整備し、下流側にスライドさせながら架設。新橋は現橋梁の位置に新設するもの。堤防高が不足している渡良瀬川の堤防嵩上げ等の河川事業と、渡良瀬川とJR両毛線を一体的にオーバーパスする橋梁整備の道路事業とのアロケーションを予定し、全体事業費には107億円を試算している。事業化に当たっては、国と県の役割分担も決定していく予定。

 予備設計における渡河部の下部工は、場所打杭基礎逆T式橋台2基、場所打杭基礎壁式橋脚4基。跨線部の下部工は、場所打杭基礎逆T式橋台2基、場所打杭基礎壁式橋脚4基とした。予備設計は、八千代エンジニヤリング(東京都台東区)が担当した。

 同都市計画道路は、市中心部と国道50号を結ぶ重要な幹線道路とともに、第3次緊急輸送道路にも指定、南北市街地を結ぶシンボル軸として都市の骨格を形成している。渡良瀬川に架かる3連アーチの中橋は、市のランドマークとして市民に親しまれ、魅力ある景観を形成している。

 事業区間は、朝夕を中心にJR両毛線を横断する宝来社街道踏切の前後で交通渋滞が発生。同地は主要渋滞箇所に選定されており、渋滞緩和を図る必要があるとした。

 また、近隣の高校生などが利用し、自転車の通行が多いにもかかわらず、現橋は通行空間が充分に確保されていない。加えて、けやき小学校の通学路に指定されているものの、歩道が狭く踏切部では歩道が未整備とし、通学の生徒・児童等の安全確保が求められているとした。

 渡良瀬川は中橋付近で堤防が切り込んでいる状況にあり、重要水防箇所に位置づけ。河川管理者の国が堤防嵩上げと中橋の現在地での架け替えを計画し、これまでの測量や道路・橋梁予備設計は、国交省渡良瀬川河川事務所が発注している。

 事業は堤防嵩上げに合わせ、中橋の架け替えを実施。歩道と自転車道を整備して交差点には右折レーン、JR両毛線交差部の立体化により踏切を除去。安全な通行の確保と渋滞緩和による交通円滑化を図るとしている。

 標準幅員は、橋梁部を19.8m。上流側の新橋は、車道3m×2車線に歩道3.5m、自転車道2m、路肩0.5m×2、施設帯0.4mと0.6m。下流側の移設橋は、歩道3.5m、自転車道2m、施設帯0.4m×2。高架部の幅員は22m。構成は車道3m×2車線、右折車線3m、歩道3.5m×2、自転車道2m×2、路肩0.5m×2、施設帯0.5m×2で計画。

 現橋は歩行者・自転車専用橋とし、移設に当たっては車道部分の11.9mのアーチの内側を利用。現橋に比べ荷重が大幅に減ることから、床版を軽くする変更工事を実施するとしている。移設のための準備工事は、事業認可の時期を見据え、早ければ今年度から着手していく予定。

 事業期間は27年度まで7年間。想定しているスケジュールは、21年度に用地調査とともに用地取得、工事に着手。用地取得は23年度まで、工事は27年度までを試算した。

 事業費107億円の内訳は、道路・橋梁整備に70億円、渡良瀬川堤防嵩上げに37億円としている。工事費が102億円を占め、測量設計1億円、用地補償費4億円を試算した。

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