県教委 来年10月から本体工 新青少年施設 宿泊、体験、研修機能を

[2021/06/18 栃木版]

 県教委は、PFI方式で実施する新青少年教育施設の事業概要をまとめた。延べ6000平方mの宿泊棟・体育館と、隣接するみかも山公園の敷地に▽宿泊▽自然体験▽研修・育成-3機能を盛り込む。定員約200人の宿泊棟は地上2階・地下1階で、構造はRC造と県産材を使った木造、野外炊事場は木造で計画。埋蔵文化財調査を経て年明けには造成工事、22年10月には本体建築工事に着手する予定で、設計・建設期間は2024年3月末までの3年間を見込む。

 施設の設計・建設・運営・維持管理を担うのは、フロンティアコンストラクション&パートナーズグループがPFI事業を実施する目的で設立した特別目的会社コネクト栃木(宇都宮市)。事業場所は栃木市岩舟町下津原地内のみかも山公園内北東部で、とちぎ花センター隣接地となる。

 施設の特長は、造成による切土・盛り土を抑制するため、斜面勾配の緩やかなエリアに建物を配置することで、安全性と安定性を確保し自然との調和に配慮する。使いやすさに考慮し、1階部分に受付・食堂・研修室・体育館など主要な諸室を集約するほか、ユニバーサルデザインへの配慮としてバリアフリー対応の宿泊室(定員6人×4室)や、片麻痺利用者に配慮した左右勝手の異なるトイレを設置。子ども向けのローカウンター型洗面台や、高齢者が歩行時に滑りにくい床材なども採用する。

 県産材の活用では、屋外・屋内の壁面に県産木材や大谷石・芦野石を積極的に使用する。また、新しい生活様式に対応するため、分節した建物形態や開放的な設計による風通しのよい空間の確保とともに、多数の利用者が出入りする場所はタッチレス化を採用するとしている。

 主な導入機能のうち、宿泊機能には洋室・和室・和洋室・バリアフリー室・談話スペース・食堂・浴室を備える。宿泊室は用途の異なる部屋を設置し、団体や個人、年齢・人数に合わせた宿泊対応を可能とした。浴室は日帰り利用者も利用可能にする予定で、別に独立したシャワーブースも設置する。談話スペースはデッキに面し、壁で仕切らずオープンな空間とすることで、施設利用者間の交流を促進する。

 自然体験機能では、野外炊事場に加え、キャンプサイトやファイヤーサークルなどの野外活動広場を設置。キャンプサイトは、車両を横付けできるオートサイトを含めて25区画程度を設置する。宿泊棟デッキは、食堂・研修室などから直接アクセスできるよう配慮し、創作活動やバーベキューの利用を可能とする。

 研修・育成機能は、大研修室や中研修室、音楽室、体育館を配置する。音楽室はこれまで青少年教育施設への設置実績は無く、吹き抜け構造により天井高を確保。吹奏楽や合唱のほか、ダンスの利用も可能とし、約45人の収容を見込んだ。体育館は公式バスケットボールコート1面分を確保し、1階部分の延べ面積に800平方mを確保するとしている。

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