新規2地区でほ場整備 石巻の深谷東と大森(宮城県東部地方振興事務所)

[2021/7/14 宮城版]
 県東部地方振興事務所は本年度の新規事業箇所として、石巻市の深谷東地区と大森地区でほ場整備事業に着手する。受益面積は深谷東が124.1ha、大森が178.5ha。ほ場を大区画化する計画で、本年度から実施設計業務を委託し、2022年度から工事を進める見通し。事業期間は2021~29年度を想定。本年度の実施設計業務は、深谷東が全体のうち約60ha分を対象に8月のお盆明けごろ、大森が約40ha分を対象に9月ごろに一般競争入札で委託する予定だ。

 ほ場整備では、水田を大区画化し、道路の再整備や揚水機場の設置、用排水路の分離化、暗渠排水の整備などを進める。

 深谷地区は、北側が石巻市の旧河南エリアで、南側の一部が東松島市にまたがっている。定川からは西側に位置している。当初は地区全体でのほ場整備を構想し、基本設計業務をサトー技建(仙台市若林区)に委託。その後、深谷東と深谷西の2地区に分け、東から事業を進めることになった。

 深谷東地区は、道路の計画延長が12km、用水路がパイプラインで14.6km、揚水機場が2カ所、排水路が排水フリュームで10.2km、暗渠排水の対象面積が121.3haとなっている。

 区画の形状は、170.75×75mが100ha、85.38×75mが20haで、残りが不整形や端田など。道路は幅5mの支線道路が延長12km、幅4mの耕作道路が74mで、ともに砂利道となる。

 用水路は、幹線が延長2.5kmでFRPM管、小用水路が延長12.1kmで塩ビ管。揚水機場の揚水量は、1カ所が毎秒0.165立方m、同0.198立方mを確保する。ともに水中ポンプ1台となる。

 総事業費は30億6700万円を試算。主な内訳は、区画整理の整地工が3億9600万円、道路工が2億6400万円、揚水機場を含む用水路工が9億2100万円、排水路工が5億4900万円、暗渠排水工が2億5400万円、測量試験費が2億4300万円など。

 大森地区は、道の駅上品の里(石巻市小船越二子北下)の近くを流れる追波川より東側一帯に位置しており、現状の水田が10a区画となっている。用排水路は兼用で、多くが土水路の状況だ。

 計画延長は、道路が18.9km、用水路がパイプラインで16.7km、排水路が排水フリュームで16.4km。揚水機場は4カ所に設ける。暗渠排水の整備面積は178.5ha。ほ場整備の基本設計業務は西條設計コンサルタント(石巻市)に委託した。

 総事業費は37億4500万円。主な内訳は、整地工が4億6200万円、道路工が4億6500万円、揚水機場を含む用水路工が7億3100万円、排水路工が8億7400万円、暗渠排水工が3億7400万円など。

 深谷東と大森のほ場整備に当たっては、国の農業競争力強化農地整備事業で補助金を活用する。本年度予算では、深谷東に5300万円、大森に5200万円が配分された。深谷東は本年度に実施設計のほか、約60ha分の地質調査業務も委託する予定。残りの実施設計や地質調査は来年度の発注を見込む。

深谷西はほ場整備や排水機場の改築

 深谷地区では、深谷西地区でもほ場整備を計画しているほか、上区排水機場の改築を予定している。これらは別々の事業で行う。ほ場整備は22年度、上区排水機場は23年度の事業化を目指す。

 深谷西地区は受益面積が275ha。本年度に事業計画書の作成を進める。

 上区排水機場は、水利施設等整備事業で改築する。事業期間は23~27年度を想定。既存施設は排水量が毎秒2.5立方mだが、別の場所に排水機場を建設し、口径700mmのポンプ1台と口径1000mmのポンプ2台を設置して毎秒4.8立方mに増量する計画。建屋も建てる。

 改築の基本設計業務はサトー技建が担当。現在は三祐コンサルタンツ(仙台支店・仙台市青葉区)が排水解析を行っており、この結果次第では9月以降に補足設計業務を随意契約で委託する可能性がある。来年度には事業計画書を作成する。

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