二級河川8水系の計画策定へ 4圏域で流域治水協議会

[2021/9/1 千葉版]

ウェブ会議となった流域治水協議会

ウェブ会議となった流域治水協議会

 二級河川の流域治水協議会が8月31日、東京湾北部圏域と九十九里圏域で発足した。治水プロジェクトの策定や水系ごとの部会設置などについて合意。県内を4圏域に分割して流域治水協議会を設置し、年度内に海老川など8水系について、流域治水プロジェクトを策定する方針が示された。

 流域治水協議会は、県内の二級河川において、あらゆる関係者が協働して流域全体で水害を軽減させる治水対策「流域治水」を計画的に推進することを目的とする。県内には二級水系が60水系あることから、効率的に流域治水を進めていくため、河川の地域特性などを踏まえ、県内を▽東京湾北部▽東京湾南部▽九十九里▽房総──の4圏域に分割して設置する方針だ。

 協議・情報共有を行うとともに、早急に実施すべき流域治水の全体像を「流域治水プロジェクト」として示すことで、ハード・ソフト一体となった事前防災対策を加速していく。

 流域治水プロジェクトは水系ごとに策定することを基本とする。今年度は、一宮川水系を除く、二級水系のうち、河川整備計画に基づいて計画的に河川改修を進めている海老川、都川、椎津川、平久里川、南白亀川、真亀川、作田川、栗山川(策定予定)の8水系で策定する方針だ。

 このうち、東京湾北部圏域では海老川、都川の2水系、九十九里圏域では南白亀川、真亀川、作田川、栗山川の4水系を対象とする。流域治水プロジェクトの素案作成にあたり調整を行うため、協議会の下部組織として、各水系部会を設置する。部会では治水対策について構成員からの意見を踏まえ、さまざまな治水対策を流域治水プロジェクトとしてとりまとめる。

 策定時期をみると、東京湾北部圏域の海老川、都川の2水系、九十九里圏域の南白亀川、作田川の2水系は9月ごろ、九十九里圏域の真亀川、栗山川の2水系は2022年3月ごろをそれぞれ予定している。

 国土交通省「総力戦で挑む防災・減災プロジェクト」では、気候変動による水災害リスクの増大に備えるため、河川・下水道管理者などによる治水対策に加え、あらゆる関係者により、流域全体で実施する治水「流域治水」へ転換する方向性が示されている。

 国土交通省の22年度予算概算要求では「あらゆる関係者により流域全体で行う「流域治水」の本格的展開」に5401億円を計上。気候変動による水災害リスクの増大に備えるために、今年5月に公布された流域治水関連法も踏まえた「流域治水」の考え方に基づき、堤防整備、ダム建設・再生などの対策をより一層加速する考えだ。

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