栃木土木 巴波川の改良が始動事業概要 86カ所に87億円投入

[2021/09/02 栃木版]
 県栃木土木事務所は、改良復旧を含め86カ所に87億4200万円を投入する2021年度の事業概要と、実施予定箇所をまとめた。内訳は、道路・街路事業が58カ所43億7190万円、河川砂防事業が28カ所43億7010万円。新規は、栃木市街地を流れる巴波川の地下捷水路2.4kmを整備するため詳細設計を策定するほか、道路では栃木粟野線深沢II工区1500mの歩道整備に向けた用地調査に着手する。砂防では、西耕地一号沢に堰堤1基を整備するため、詳細設計で諸元を確定する。     =2面に主要事業箇所

 巴波川の改良復旧は、栃木市中心部を流れるため河道拡幅が困難な状況にある。狭さく部となっている市街地の中流域に比べ、下流域の河川幅は確保されていることから、東日本台風などで氾濫した水量を調節するため、地下トンネルによる土被り約10mのバイパス(φ5.5m)の捷水路2.4kmを県管理道路下に整備する。区間は大町地先の荒川合流点下流から沼和田町地先の平成橋下流までの2.4kmで、本年度は詳細設計を実施するほか、流入部の用地調査を進めて用地取得に着手する。

 地下トンネルによる抜本的な対策のほか、上流部に当たる大町工区では調節池の整備を継続する。また市街地の堤防強化対策を見据え、沼和田町地先では取水施設設計、嘉右衛門町地先では堤防嵩上設計や工事を実施。捷水路が合流する下流域では、流量増加に伴う河道計画を策定する。

 壬生町中心部の東西の幹線道路となる352号大師町工区は、延長550mを14.5mに拡幅して、両側の歩道3mに電線共同溝を整備する。本年度は用地調査を進め、用地補償に着手する。

 下野スマートIC関連では、北関東道両側の側道的に通っている羽生田上蒲生線の、料金所設置による影響部600mを付け替える。本年度は埋蔵文化財調査や用地補償を進め、初弾工の発注を目指す。

 藤岡乙女線が思川を渡河する乙女大橋の老朽架け替えは、現橋に並行し下流側に架設を計画する。現在の乙女大橋は橋長367m(W5.5m)で、1955年度に架設された。上流側の側道橋は90年度の架設で、こちらは本橋の架け替えに合わせて撤去を計画。新橋は歩道2.5mを内包し、幅員12mを確保する。本年度は、整備予定区間の萩島白鳥線交差点まで1200mの道路詳細設計を発注する。

 壬生町若草町工区の3・3・901号おもちゃのまち下古山線(羽生田上蒲生線)は、東武鉄道立体部おもちゃのまち跨線橋605mについて、現道3車線を本線部22m、交差点では25mに拡幅し4車線を確保する。橋梁部はプレテン桁のラーメン橋台を両側3.5mずつ継ぎ足す形で拡幅し、アプローチ部は擁壁を立ち上げ、歩道・自転車通行帯を確保する。本年度も、用地調査や用地補償を継続する。

 壬生町の羽生田上蒲生線の北関東道壬生IC前の寿町工区は、歩道橋の新設で上下部工を一括し第3四半期に一般競争入札で発注する。下野市境の下古山工区は、2車線に絞られる姿川の関沢橋付近600mの渋滞緩和策として4車線に拡幅することから、関沢橋の架け替えに伴う橋梁詳細設計を進める。

 小山市の杣井木川は、毎秒5立方mを排除する排水機場の新設工事を継続する。調節池は排水機直上流部左岸を候補地に基本設計を進め、詳細設計の発注時期を検討していく。調節池は現在のところ、面積8ha、容量16万立方mを試算し、1カ所に集約する。

 栃木小山線卒島II工区は、バイパス法線が豊穂川を渡河する農道橋の影響範囲で4車線分の幅員が確保できないため、橋梁詳細設計を実施する。

 橋梁補修では、宇都宮亀和田栃木線が東武日光線を跨ぐ合戦場陸橋の工事を継続し、新規では同県道の金井跨線橋の設計と工事を行う。小山市の思川では、藤岡乙女線の乙女大橋や和泉間々田線の網戸大橋の補修設計を委託し、22年度の工事に備えていく。b

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