小中学校で3.1ポイント増加 太陽光発電 設備の設置状況 本県小中学校は161校に 文科省

[2021/09/16 栃木版]
 文部科学省はこのほど、再生可能エネルギー設備等の設置状況について、2021年度の調査結果をまとめた。5月1日現在、公立の小中学校における太陽光発電設備の設置率は34.1%で、前回調査(18年度)から3.1ポイント増加した。本県の太陽光発電(設備接続)の設置状況は、小中学校が161校で設備容量計6472キロワット。このほか、高等学校は17校(1098キロワット)に、特別支援学校は5校(407キロワット)に設置されている。

 この調査は、全国の公立学校(幼稚園〔幼保連携型認定こども園を含む〕、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校)を対象に、再生可能エネルギー設備等(太陽光発電設備、風力発電設備、太陽熱利用設備、バイオマス熱利用設備、地中熱利用設備、燃料電池、雪氷熱利用設備、小水力発電設備)の設置状況について09年度から実施している。

 それによると、設備別の設置数は太陽光発電設備が1万1456校、風力発電設備が501校、太陽熱利用設備が222校で、このほかバイオマス熱利用設備が283校、地中熱利用設備が122校、燃料電池が14校、雪氷熱利用設備が11校、小水力発電設備が7校となった。

 小中学校の設置数の推移を見ると、太陽光発電設備は15年度7371校、18年度9022校、21年度9706校と順調に増加している。一方、風力発電設備は15年度610校、18年度587校、21年度406校と減少しており、太陽熱利用設備は150校前後でほぼ横ばい。その他の設備は15年度214校、18年度299校、21年度371校と増加傾向にある。

 学校種別ごとに見ると、太陽光発電設備の設備接続は小中学校が8818校(18万0428キロワット)、高等学校が953校(2297キロワット)、幼稚園が302園(3833キロワット)、特別支援学校が290校(7722キロワット)で、合計1万0363校(21万4960キロワット)。同じく小型は小中学校が1359校(2641キロワット)、高等学校が268校(1887キロワット)、幼稚園が31園(69キロワット)、特別支援学校が37校(24キロワット)で、合計1695校(2922キロワット)となる。

 本県の状況を見ると、小中学校では太陽光発電が設備接続で161校(設備容量6472キロワット)と小型で8校(同1キロワット)、風力発電が4校(同3キロワット)、太陽光熱利用設備が3校(有効集熱面積2246平方m)となった。

 このうち太陽光発電(設備接続)は、小山市が36校(380キロワット)、足利市が26校(1984.8キロワット)、栃木市が21校(1447.79キロワット)、佐野市が12校(786.88キロワット)、那須塩原市が12校(616キロワット)などに設置しており、風力発電は宇都宮市が2校(0.46キロワット)、小山市が1校(1.8キロワット)、芳賀町が1校(0.45キロワット)で設置。太陽熱利用設備は、日光市が2校(1510平方m)、さくら市が1校(736平方m)に設置している。

 このほか、高等学校は太陽光発電が設備接続17校(1098キロワット)と小型1校(0キロワット)、風力発電1校(0キロワット)、太陽光熱利用設備1校(353平方m)に設置。幼稚園は太陽光発電の設備接続を那珂川町の1園(10キロワット)に、特別支援学校は太陽光発電の設備接続を5校(407キロワット)と太陽熱利用設備を1校(284平方m)に設置している。

 文科省では、学校施設環境改善交付金で太陽光発電等の整備に関する事業を支援している。太陽光発電設備や風力発電設備、太陽熱利用設備、蓄電池(単独で整備する場合には太陽光発電設置校に限る)を設置する際に必要な経費の一部を国が補助し、地域の実情に応じた地球温暖化対策の推進や環境教育への活用を図っている。交付対象は公立の幼稚園および学校施設のほか、共同調理場も対象としており、工事費が400万円以上の事業を対象にその2分の1を補助する。

 工事の内容は、太陽光発電・太陽熱利用・風力発電の設置に必要な工事一式や太陽光発電既設置校への蓄電池単体整備(上限額1000万円)のほか、関連工事として技術上の課題解決のための工事(屋上防水の更新、屋上への防護ネット・柵などの設置、変圧器の新設・更新、太陽光電池モジュール(パネル)の荷重を支えるための建物補強工事、その他必要となる電気工事)や環境教育に活用するための工事(発電モニターの設置など)、太陽光発電などの導入と同時に実施する防災機能強化の工事(蓄電池の設置、自立運転機能の付加など)とする。

 同省は、カーボンニュートラルの実現に向けて建築物の更なる省エネルギー化や再生可能エネルギーの導入が求められているため、学校施設についても年間のエネルギー消費量の収支ゼロを目指したZEB化を推進することが重要と認識しており、今後も地方公共団体のニーズを踏まえ、公立学校施設へ再生可能エネルギー設備の導入を推進し、カーボンニュートラルを実現できるよう財政面も含めて引き続き支援していくとしている。

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