多世代交流拠点に統合校 米山地域の方針決定 小学校再編計画を公表(宮城県 登米市)

[2021/10月6日 宮城版]
 宮城県登米市は米山地域と津山地域の小学校再編について方針を決定し、地域別の学校再編実施計画を初めて公表した。米山地域では3校を統合し、総合支所や公民館などと複合化する「多世代交流拠点施設」に統合校を含める方針を正式に決めた。2026年4月の開校を目指す。津山地域では2校を統合し、柳津小学校の校舎を改修して統合校の運営拠点とする。

 登米市内では少子化の影響で児童数が減少し、1学年で1クラスだけの学級編成しかできない小学校が増えている。理想とする1学年2クラス以上の学級編成が可能になるよう、市は旧9町単位で学校の再編を検討している。9地域のうち▽米山▽津山▽東和▽南方──の4地域を前期計画として優先的に協議している。

 再編の検討を進めた結果、第1弾として米山地域の学校再編実施計画を策定し、7月30日の教育委員会で報告した。次いで津山地域の学校再編実施計画を策定し、9月29日の教育委員会で報告。これを経て、このほど両計画の内容を公表した。

 米山地域では米岡小学校と中津山小学校、米山東小学校の3校を再編し、統合校を新設する。教育委員会では当初、米岡小学校の校舎を改修して統合校を運営する方針を示し、2020年度に校舎の劣化調査などを行った。その一方、2020年度には老朽化した米山総合支所や米山公民館などを複合化し、DBO方式によって「多世代交流拠点施設」を建設する構想が浮上。同拠点施設に統合校を含める案も検討された。

 市は「米岡小学校の校舎で統合校を運営する案」と「多世代交流拠点施設に統合校を含める案」を並行して検討した結果、多世代交流拠点施設に統合校を含める方針を正式に決定した。多世代交流拠点施設は米山総合支所がある米山町西野字的場の敷地内に建設する。

 多世代交流拠点施設については現在、実現に向けて基本構想と基本計画を取りまとめている。2022年度に基本設計をまとめ、2023年度には事業に参画する民間企業の公募や優先交渉権者の選定などが行われる見通し。選定した事業者には、2024~2025年度で実施設計と工事を行ってもらう。

 2025年度末までに施設を完成させ、2026年4月から同施設で統合校を運営する。

■登米市 米山など4地域の小学校再編の現状
地 域 名 対 象 校 再 編 方 針
米 山  米岡小、中津山小、
米山東小
 3校の統合で学校再編実施計画を策定。新設する「多世代交流拠点施設」に統合校を含め、26年4月の開校を予定
津 山  柳津小、横山小  2校の統合で学校再編実施計画を策定。23年度から統合校を横山小の校舎で運営し、その間に柳津小の校舎を改修。完成後、24年度からは柳津小で運営
東 和  米谷小、錦織小、
米川小
 東和中学校の空き教室で統合校の運営を検討し、校舎の劣化状況を調査中。調査結果を踏まえ、本年度中に再編の方向性を決定
南 方  南方小、西郷小、
東郷小
 3校の統合に向けて地域と協議中

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