県道路整備課 来年度から事業着手 栃木環状線今泉町工区 暫定2車線で31年度供用へ

[2021/11/19 栃木版]

 県道路整備課は、栃木市の一般県道栃木環状線外1路線の今泉町工区(小山市卒島~栃木市今泉町)について、2022年度から事業化に着手する。区間内の主要構造物は、JR両毛線橋梁1橋と普通河川の函渠工4基を整備する計画で、当面は暫定2車線での供用を目指す。総事業費には約60億円を試算し、事業着手の22年度には構造物詳細設計や用地調査を実施する見通し。用地取得は22年度から28年度、工事は24年度から31年度にかけて実施し、全体としては10カ年で事業を完了させる。

 今泉町工区は、小山市中心市街地から栃木市東部を経由して北関東道都賀ICに至る都市計画道路3・3・3号小山栃木都賀線の一部を構成する。この区間は、「とちぎの道路・交通ビジョン2021」で一般広域道路「栃木西部都市連絡幹線」として位置付けられる重要な路線となる。

 現在、栃木市の市街地では東側の道路ネットワークが脆弱なため、中心市街地に通過交通が流入し、大町交差点や万町交番前交差点などで朝夕を中心に慢性的な渋滞が発生しているなど課題が多い。

 このため県はこれまで、主要地方道宇都宮亀和田栃木線の合戦場工区(L3200m、一部暫定2車線)や平柳町工区(L1300m、暫定2車線)を整備し、現在は同線の大宮町工区(L1300m)や合戦場工区の4車線化、主要地方道栃木小山線の卒島工区、卒島II工区(L3500m)を整備中。

 今回の今泉町工区は、北側の大宮町工区(23年度完了予定)と南側の卒島II工区(25年度完了予定)を結ぶ区間となる。これを整備することで、小山・栃木間の連携強化や都賀ICへのアクセス強化を図るとともに、中心市街地に流入する通過交通を分散して交通渋滞の緩和を図る。

 ルートは1998年4月に都市計画決定された都計道小山栃木都賀線を基本とし、延長は北側の栃木環状線2460mと栃木小山線1240mをあわせ、総延長3700m。主要構造物は、JR両毛線を斜めからオーバーパスする橋梁1基(L161m)と、普通河川4カ所を渡河する函渠工4基を施工する。

 車線数は将来交通量を見据えて4車線とし、幅員は車道3.25m×4に中央分離帯2m、路肩1.5m×2、施設帯1.0m×2、および副道5.5m×2をあわせ31mを確保する計画だが、早期の道路ネットワーク完成を図るため暫定2車線で整備する。

 事業スケジュールは、22年度に構造物詳細設計や用地調査を実施するとともに、22年度から用地取得を開始し、工事は24年度から31年度まで8年間を想定している。事業費の内訳は、測量設計費約1億円、用地補償費約25億円、工事費約34億円の計60億円を見込む。

 同課によると、事業化にあたっては、橋梁の床版に鉄板を用いたメンテナンスフリーの構造にするなど主要構造物に新工法を積極的に採用してライフサイクルコスト縮減を図るほか、再生材の利用や建設発生土の公共工事間の流用に努める。また、副道は既設の市道を活用してコスト縮減を図るとしている。

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