消防広域化 印旛地域で検討開始(千葉県)

[2021/12/8 千葉版]
 千葉県は、消防広域化の方向性を明らかにした。印旛地域で検討を始めるため、関係市町と消防本部が参加する検討の場を設置し、今後の進め方などを確認した。県が主体となって、関係市町の意見を聞きながら、印旛地域の課題を整理するとともに、連携の方策などの検討を進めていく方針だ。

 災害の激甚化・大規模化のほか、救急出動の増加、県民ニーズの多様化など、消防を取り巻く環境の変化に的確に対応するため、2019年3月に策定した「千葉県消防広域化推進計画」に基づき、消防力や災害対応力の維持・強化に向け、消防の広域化について、市町村や消防本部に考え方をヒアリングした。

 その中で印旛地域は、小規模な消防本部が複数ある一方、医療圏と救急医療体制が一体となっていることなどから、まず印旛地域で検討を進めていくこととし、関係市町と消防本部が参加する検討の場を設置した。11月の初会合では、消防広域化の必要性や地域の特性などについて、情報を共有し、今後の進め方を確認したという。

 県消防広域化推進計画では、消防広域化を検討すべき、広域化対象市町村を指定。▽栄町▽富津市▽富里市▽銚子市▽旭市▽君津市▽四街道市▽袖ケ浦市▽匝瑳市横芝光町▽夷隅郡市(勝浦市・いすみ市・大多喜町・御宿町)──が対象となる。

 計画では、広域化対象市町村のうち、早期に広域化に取り組む必要がある特定小規模消防本部や準特定小規模消防本部について、広域化協議を検討する地域の組合せパターンを提示している。

 各地域における広域化協議の開始に向け、広域化対象として指定した市町村に隣接する地域を基本とし、協議開始のきっかけとなる場を設定する。

 県は、関係する市町村相互の協議状況により、必要に応じて調整を図るなど、広域化に向けた取り組みを支援する。広域化の気運が高まり、具体的な取り組みが進んだ地域を「広域化重点地域」として指定する予定だ。

 広域化重点地域に指定されると、消防署所の増改築のほか、高機能消防指令センターや消防用車両の整備などに対し、国から財政支援を受けることができる。

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