一宮川の浸水対策PPP 建技研グループ特定(千葉県)

[2022/3/18 千葉版]
 千葉県県土整備部は17日、一宮川水系流域で実施する浸水対策関連業務2件について、プロポーザルの選定結果を明らかにした。事業監理業務は建設技術研究所(千葉事務所・千葉市中央区)と新星コンサルタント(茨城県常総市)のグループ、治水方策検討業務は国土技術研究センター(東京都港区)の技術提案書をそれぞれ特定した。官民が連携した事業促進PPPによる事業マネジメントを進めるほか、浸水リスクや地域特性を考慮した総合的な計画案を検討する方針だ。

 河川激甚災害対策特別緊急および広域河川改修合併委託(一宮川事業監理業務)では、事業促進PPPを導入し、複数工事の工程管理や大規模工事の施工管理などを担う。予算額の上限は1億3490万円とする。

 河川激甚災害対策特別緊急事業(河道拡幅区間、護岸法立て区間)の事業期間である24年度末までに確実に事業完了させるとともに、茂原市域における短期対策の早期完了や、新規事業となる上流域・支川区間の着実な事業推進を目指す。履行期限は23年3月24日まで。

 県単河川調査委託(一宮川水系流域治水方策検討業務)では、これまでの甚大な浸水被害を踏まえ、浸水リスクや地域特性を考慮して総合的な計画案をとりまとめる。業務規模は5960万円を想定している。

 具体的な業務内容は▽業務計画▽関係資料の収集整理▽先進事例の調査▽貯留方策による治水効果の計測、試験施工▽流域治水方策案の作成▽一宮川流域治水協議会の企画運営補助▽専門家へのヒアリング▽報告書作成──など。履行期限は23年3月25日まで。

 一宮川流域では、過去30年間で4度の浸水被害を受けたことを踏まえ、令和元年豪雨と同規模の降雨に対して、河川整備と流域市町村が実施する内水対策、土地利用施策が連携した「一宮川流域浸水対策特別緊急事業」により、家屋や主要施設の浸水被害ゼロを目指している。

 事業中の中・下流域では、河道断面の拡大や一宮川第二調節池の増設を推進。上流域・支川では河道改修や浸水防止対策(輪中堤など)、一宮川第三調節池の新設などを計画している。

 県の22年度予算案では、一宮川流域浸水対策特別緊急事業について、補正予算分も含め、74億7300万円を計上するとともに、限度額16億0500万円の債務負担を設定している。

 一宮川の中流域で河道拡幅や護岸法立て、第二調節池の増設、堤防かさ上げなどの河川改修、下流域で河道掘削、上流域・支川で第三調節池の新設、茂原市街地で局所的な改修などを進めていく方針だ。

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