漁港防波堤を順次補修 折ノ浜は本年度に設計(宮城県 石巻市 機能保全事業)

[2022/4/8 宮城版]
 石巻市は水産物供給基盤機能保全事業(以下、機能保全事業)で、漁港施設の防波堤や船揚場を改修するほか、泊地の浚渫による水深確保対策などを進める。2022~24年度は機能保全事業に計約6億0500万円を投じる見通し。22年度は水浜分浜漁港の水浜北防波堤を改修するほか、折ノ浜漁港の防波堤を改修するため実施設計業務を委託する。

 機能保全事業では、カーテンウォール式で鋼管杭の腐食している防波堤が市内に5~6カ所あるため、順次改修する。現在は水浜分浜漁港の北防波堤を改修しており、22年度と23年度も北防波堤の改修工事を発注する。

 22年度予算には、機能保全事業の実施設計業務委託費に1800万円、工事費に8100万円を計上した。

 実施設計業務は、折ノ浜漁港の防波堤を改修するために委託する。防波堤のうち、延長56.7mがカーテン式で、残りがブロック式。実施設計業務はカーテン式区間のみを対象とし、第1四半期に一般競争入札で委託する。履行期間は約8カ月。改修工事は23年度以降に進める。

 機能保全事業の22年度工事費は、水浜北防波堤の48m区間の改修工事や、熊沢漁港(雄勝地区)船揚場の張りブロック補修工事を発注するために使う。

 北防波堤の工事はその3として、第2四半期に一般競争入札で発注する。概算工事費は7900万円。工期は約7カ月。

 水浜北防波堤は、全体延長が151.2mで、うちカーテン式が97.8m、残りがブロック式。カーテン式は地中に鋼管杭を打ち込み、その上にコンクリートを載せている。機能保全事業の全体事業費は約4億円を試算している。

 工事は2020年度に既存施設の撤去工を丸本組(石巻市)、21年度に本体工などをスリーテック(同)に発注した。21年度の工事では鋼杭工28本や、既存のコンクリート撤去などを行っている。

 既存施設は一部の鋼管杭が腐食して穴が開いているほか、矢板が脱落して歯抜け状態となっている。機能保全事業では傷んだ部分を補修し、抜けた部分を再設置する。

 このようなカーテン式の鋼管杭が傷んだ漁港は他にも5カ所程度あるため、機能保全事業で順次改修していく。

 市総合計画の実施計画(22~24年度)によると、機能保全事業は22年度に1億0100万円、23年度に2億6450万円、24年度に2億3950万円を充てる予定になっている。 

 熊沢漁港は船揚場の張りブロックが波浪による浸食で傷んでいるため、本年度に延長14m区間の補修工事を発注する見通し。

小網倉に船揚場新設(漁港改良事業)

 同市は漁港施設改良事業に22~24年度で計2億6300万円を投じる考え。同事業は国の補助メニューを活用して漁港施設を機能強化する。主に直立式消波構造の物揚場などを機能強化する見込み。

 22年度予算には、設計業務の委託費に1700万円、工事費に8500万円を計上した。 設計は小網倉、泊、長面の3漁港が対象。工事は北上、牧浜、小竹浜、小渕の4漁港が対象となる。

 小網倉は、延長30mの船揚場を新設するため、第1四半期に一般競争入札で測量設計業務を委託する。概算業務費は1000万円。履行期間は約5カ月。

 泊は、西船揚場が地盤隆起によって利用に支障が出ているため、延長103m区間を改良する。本年度は第1四半期に一般競争入札で設計業務を委託する。概算業務費は500万円。履行期間は5カ月。

 小網倉と泊の工事は来年度から行う予定。

 本年度の改良工事は、北上漁港(小滝地区)が物揚場の潜り込み防止柵設置工事、牧浜漁港が防波堤の標識工事、小竹浜漁港が浚渫を実施する。

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