栃木芳賀の事業着手 本年度の事業計画 畜産基盤整備5地区に7億円(県農業振興公社)

[2022/5/13 栃木版]

 県農業振興公社(鈴木正人理事長)の本年度の事業計画によると、本年度は畜産・農用地等基盤整備事業に繰越も含めて7億0143万円を予算化した。新たに栃木芳賀地区で事業に着手し、測量・設計のほか年度内に飼料畑の造成・整備や堆肥舎1棟の建設などを発注する。このほか、大田原・那須地区と那須塩原地区で事業完了を目指し、那須高原牧場地区は草地造成・整備や隔障物、鳥獣被害防止施設の整備を計画している。

 公社の本年度の基本方針は、農地集積推進事業で農地の集積・集約化を着実に推進する。また畜産・農用地等基盤整備事業では、実施地区の着実な事業展開を図るほか、新たな地区の計画策定に取り組んでいく。

 農業後継者育成確保事業や農業農村活力支援事業では、多面的機能支払交付金事業の事務処理に新たに取り組む。「とちぎ花センター」は10月の開園30周年に向けた企画展などで集客増を目指し、「なかがわ水遊園」はリニューアルによる新たな水遊園の魅力を最大限発揮していく。

 公益目的事業のうち、畜産・農用地等基盤整備事業では生産性の高い畜産経営の確立を図るため、畜産担い手育成総合整備事業を実施する。畜産が主要産業の地域で自給飼料の確保に向け草地の造成整備を行うとともに、畜舎の新設や省力化機械の導入、家畜排せつ物処理施設などの整備を行い、畜産農家の育成と経営の安定化を図る。

 本年度は、大田原・那須地区と那須塩原地区、那須高原牧場地区で引き続き事業の進捗を図り、このうち2地区の事業を完了させるほか、新たに栃木芳賀地区の事業に着手。また、茂木地区で新規事業計画の策定を予定する。これらを合わせ、本年度の事業費は7億0143万円を予定する。

 新規着手する栃木芳賀地区は、6月にも測量や設計を発注したあと、本年度は真岡市と市貝町の経営体4戸を対象に飼料畑造成6haや飼料畑整備16.5ha、堆肥舎1棟、水質汚濁防止施設一式の発注を計画。事業費には1億1527万円を計上している。

 この事業は、真岡市・益子町・茂木町・市貝町・芳賀町の70.16haを対象に▽草地等造成改良17.5ha▽草地等整備改良50ha▽施設用地造成整2.66ha▽鳥獣被害防止施設延長900m▽隔障物(牧柵)延長1200m▽家畜保護施設整備9棟▽家畜排せつ物処理施設整備20棟▽飼料調整貯蔵施設整備1棟▽水質汚染防止施設一式-などを計画。経営体は16人で、全体事業費は9億9800万円としている。

 本年度が最終年度となる大田原・那須地区は、21年度の繰越分で草地造成1.89ha、施設用地造成0.3ha、牛舎1棟、堆肥舎1棟の整備に8785万円、22年度予算分で堆肥舎1棟に3000万円を計上する。全体計画は、大田原市と那須町で▽草地等造成改良15.5ha▽草地整備改良20.3ha▽畜舎9棟▽家畜排せつ物処理施設6棟▽隔障物(牧柵)延長1700m▽飼料調整貯蔵施設(バンガーサイロ)2基-などを実施する。経営体は17戸で、事業費は7億4687万円となっている。

 同じく本年度が最終年度となる那須塩原地区は、21年度繰越分でパーラー棟1棟、搾乳設備一式、乾燥ハウス1棟の整備に1億5931万円、22年度予算分で飼料畑造成8.55ha、酪農設備一式、パーラー排水一式に1億円を予定する。この地区は、那須塩原市で▽草地等造成改良31.2ha▽草地整備改良19.5ha▽畜舎12棟▽家畜排せつ物処理施設9棟▽飼料調整貯蔵施設1基-などを計画。経営体は13戸で、総事業費に13億2995万円を試算した。

 20年度に事業に着手した那須高原牧場地区は本年度、草地造成0.3ha、草地整備25.8ha、隔障物整備3300m、鳥獣被害防止施設5000m、農機具導入7台を計画し、事業費に2億円を予算化した。大田原市の大野牧場と那須町の共同利用模範牧場の、いずれも公共牧場2施設が対象で、全体計画は▽草地等造成改良2ha▽草地整備改良100ha▽鳥獣被害防止施設延長8000m▽雑用水施設整備5カ所▽家畜保護施設整備3棟▽家畜排せつ物処理施設整備1棟▽隔障物(牧柵)延長7200m-などを整備する。全体事業費は、7億0200万円となっている。

 なお、茂木地区の新規事業計画策定は、茂木町の有機物リサイクルセンター「美土里館」について、完成後20年が経過して設備の老朽化が進んでいることから、町より改修事業の受託を見込み、改修事業計画策定の委託料900万円を予算化している。

 このほか公益目的事業のとちぎ花センター管理運営等事業は、鑑賞大温室・展示温室ほか建物15棟6392平方m、花壇など敷地3.1haのを指定管理事業で管理。なかがわ水遊園管理運営等事業でも、管理建物でおもしろ魚館(展示ゾーン及び体験交流ゾーン)の約6000平方m、公園施設で芝生広場・お魚ふれあいステーション・水の広場・公園サービスステーションの約2.5haを管理する。

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