茂木で通信環境整備 農業農村整備事業 4事業7地区に2.2億円(県農村振興課)

[2022/7/15 栃木版]

 県農村振興課は、2022年度予算における農業農村整備事業の実施地区と配分額をまとめた。県営事業は、中山間総合整備が2地区に事業費7200万円、農村振興総合整備事業が1地区に1億円を予算化した。また団体営事業は、農業集落排水の機能強化で3地区に3290万円のほか、新規の農山漁村振興交付金事業で茂木地区(茂木町)の情報通信環境整備の計画策定に1600万円を盛り込んでいる。新規はこの茂木地区のほか、農集排でも2地区に新たに着手し、処理施設の長寿命化改修に向けた詳細設計を策定する。

 中山間地域総合整備事業では、中山間地域の農業生産基盤や生活環境基盤を総合的に整備して、地域の活性化を図る。本年度は、高原地区(矢板市、塩谷町)と馬頭中部地区(那珂川町)の継続2地区で水路付帯工事を計画し、高原地区に2000万円、馬頭中部地区に5200万円を配分する。これらの地区では、狭小で不整形の農地の圃場整備とあわせて、農業用用排水施設や農業集落道の整備も実施する。

 農村振興総合整備事業は、農業生産基盤と農村生活環境の整備を総合的に行う事業。本年度は安足地区で、水路工延長540mと揚水機一式を計画し、事業費1億円を計画する。

 安足地区では18年度から25年度までの期間で、農業用排水延長11.8kmや農道整備3.7km、生態系保全3路線、地域資源利活用施設整備1カ所などを整備する。このほか太陽光発電施設を用水路に設置し、売電による農業水利施設の維持管理費の節減や環境への負荷軽減を図る。

 農業集落排水事業では、施設の長寿命化やライフサイクルコストの低減を図るため、市町などが行う機能診断の実施や改築・更新を支援する。本年度は、沢地区(矢板市)で事業を継続するほか、新たに板戸地区(宇都宮市)と北向田地区(那珂川町)にも着手する。

 沢地区は、21年度から23年度までの3カ年で処理水槽の躯体の腐食箇所を補修するため、防食工事を実施している。総事業費は5330万円で、本年度は2670万円を配分した。また板戸地区は、処理施設防食被覆塗装工の詳細設計を策定するため、180万円を予算化。北向田地区は440万円で、処理施設防食被覆塗装工、前処理設備・配管更新のための詳細設計を策定する。

 新たに着手する情報通信環境整備事業は、農業農村インフラの管理の省力化・高度化に必要な光ファイバーなどの情報通信施設や付帯施設の整備を支援する事業となる。

 茂木町では、人口減少や高齢化が進行する農村地域で、ICT(情報通信技術)を活用し農業水利施設、農業集落排水施設などの農業農村インフラの管理の省力化・高度化を図るとともに、地域活性化やスマート農業の実装を促進するため情報通信環境を整備することから、これを支援する。

 事業内容は、アンケート調査や聞き取り調査でICTを活用した農業農村インフラの管理の省力化、高度化やスマート農業の導入などに関する意向や具体的なニーズを把握し、具体的な対象地域や通信要件などを検討する。あわせて、通信に影響のある地形条件や建物、構造物、町や電気通信事業者などの整備した既存通信インフラの把握を行う。

 これらの調査で得られたデータを基に、地域に適した通信方式、通信施設の配置計画、効率的な情報通信ネットワーク、システムなどについて比較検討を行い、「茂木地区農業農村情報通信環境整備計画(仮称)」を策定する。同課は本年度、この計画策定一式に1600万円を補助する。

 なお、農地整備課予算では、農業農村整備事業計画調査で新たに茂木地区(茂木町)の計画策定のため3100万円、農地集団化推進事業で同じく新規の茂木地区(茂木町)の換地等調整一式に35万円を予定している。

 地区別割当額と実施内容は次の通り。(単位・万円、▼は新規)

 《県営事業》
【中山間地域総合整備事業】
▽高原(矢板市、塩谷町)=[1]2000[2]付帯工事
▽馬頭中部(那珂川町)==[1]5200[2]付帯工事
【農村振興総合整備事業】
▽安足(足利市、佐野市)=[1]1億0000[2]水路工事

 《団体営事業》
【農業集落排水事業】
▽沢(矢板市)=[1]2670[2]機能強化
▼板戸(宇都宮市)=[1]180[2]機能強化
▼北向田(那珂川町)=[1]440[2]機能強化
【情報通信環境整備対策事業】
▼茂木(茂木町)=[1]1600[2]計画策定

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