宮城県道拡幅 検討着手へ 東松島西福田地区の3.1km(宮城県東部土木)

[2022/7/23 宮城版]

鳴瀬南郷線の現道(西福田地区)

鳴瀬南郷線の現道(西福田地区)

 県東部土木事務所は、東松島市西福田地区の県道鳴瀬南郷線について、本年度から概略設計業務を委託して拡幅に向けた検討に着手する。概略設計業務は月内~8月に一般競争入札で委託する予定。現道は1車線で、東松島市からは2車線への拡幅と歩道の早期整備が要望されているため、同業務で拡幅に必要な盛土量や課題などを洗い出し、実際に事業化が可能かどうかを判断する。

 東松島市は12日、県東部土木事務所に対して県土木部所管事項に関する要望書を提出しており、その中にも西福田地区における鳴瀬南郷線の拡幅を盛り込んでいる。

 鳴瀬南郷線は、三陸沿岸道路のアクセス道路として利用されており、そのうち西福田地区は国土交通省の鳴瀬川中流部緊急対策特定区間事業の堤防改修と併せて整備されたものの、現道が全幅6m程度の1車線で、大型車と交差する場合の交通事故の発生が危惧されている。

 さらに、三陸沿岸道路の利便性向上に伴い、美里町のほか、大崎圏域から鳴瀬奥松島インターチェンジへのアクセス道路としても交通量が増加しており、沿線住民の安全確保が早急な課題となっている。このため同市では、車道2車線への拡幅と歩道の早期整備を要望している。

 県東部土木事務所は本年度、三陸沿岸道路との立体交差地点から、美里町境までに至る鳴瀬南郷線の延長3.1km区間を対象に、概略設計業務を委託する考え。履行期間は約4カ月、概算業務規模は700万円を見込んでいる。

 西福田地区の現道は堤防沿いを通っており、拡幅でも腹付け盛土が想定されるため、同業務で必要な盛土量を算出する。併せて道路拡幅に向けた課題を整理し、施工時期などを見極める。

 検討対象となる3.1kmの前後区間は、美里町側も含め2車線に拡幅済みのため、3.1km区間の道路幅員はそちらに合わせる形で7~8m程度にする見込み。ただし、前後区間にも歩道は整備されていない。3.1km区間の途中には鞍坪川に西福田橋が架かっているものの、同橋はすでに拡幅済みとなっている。

 なお、東松島市では鳴瀬南郷線に関し、西福田地区における拡幅整備のほか、国道起点部の交差点改良と、歩道の拡幅整備も要望している。

 起点部は国道45との交差点で、右折レーンがあるものの距離が短いため、右折レーンの延伸による渋滞解消対策を望んでいる。歩道の拡幅整備は、起点から日本ウェルネス宮城高校までの大部分の区間に歩道が整備されているものの、幅員が約2.1m以下と狭いため、国道45号と同様の幅員とし、歩行者と自転車の安全対策を講じるよう求めている。

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