個別計画の更新など要請 メンテサイクル 2巡目の点検状況は順調(道路メンテ会議)

[2022/8/9 栃木版]

 2022年度第1回県道路メンテナンス会議(会長・吉田幸男国土交通省宇都宮国道事務所長)が5日、宇都宮国道事務所と各委員をウェブ方式でつないで開催された。この日は事務局の宇都宮国道事務所から、22年度の点検計画や個別施設計画(長寿命化修繕計画)、橋梁点検を実施する上での課題や工夫などが示された。メンテナンスサイクル2巡目の点検の進捗状況は、概ね順調としながら、市町の道路付属物等については、23年度にしっかりと点検するよう要請。また、長寿命化修繕計画の策定についても、道路メンテナンス事業補助制度の交付申請に向けて、修正や更新が必要な地方公共団体に本年度中の対応を求めた。

 議事に先立ち、吉田会長は「19年から点検計画の第2巡目に入り、そのサイクルの中で出てきたさまざまな課題がそれぞれの機関ごとにあると思う。そうした課題克服に向け、さまざまな機関と情報を共有しながら、それぞれのメンテナンス活動の中で生かしていくことが重要になってきている」と指摘した。

 そのうえで「今後の取り組みの中では、ICT技術やDXのようなデジタル戦略を持ったメンテナンスの実施が重要になる。着実な点検と予防的措置を順次実施しながら、メンテナンスのサイクルを具体的に回して、その成果を地域の方々に還元することがわれわれの目的でもある」と述べ、有意義な議論を期待した。

 議事ではまず、これまでの経緯と今後の予定について事務局から説明。メンテナンス会議は今回の第1回で21年度の点検結果を示すとともに個別施設計画の策定を協議し、10月にも第2回の開催を予定する。また、今月中には本省から道路メンテナンス年報が公表されるほか、橋梁点検講習会を11月に開催する予定と報告した。

 現在実施しているメンテナンスサイクル2巡目(19-23年度)の点検の進捗状況は、これまで4年間の点検数(22年度は速報値)と23年度に実施する残りの点検計画数を報告。橋梁はこれまで1年あたり概ね20%ずつ推移しており、平均して点検がなされている。施設管理者ごとにみても、それぞれ概ね20%程度残っていることから、「点検については順調に進んでいる」と説明した。

 トンネル点検も、23年度に残り18%を点検すればよいことから順調に推移しており、施設管理者ごとでも概ね2割以内と順調に進んでいる。道路付属物等は、年度ごとでは20%ずつ進んでいるが、施設管理者ごとでは市町が23年度に60%ほど残っているため、事務局は「市町の道路付属物等の数はそれほど多くないが、23年度でしっかりと点検してほしい」と要請した。

 個別施設計画(長寿命化修繕計画)の策定については、道路メンテナンス事業補助制度などについて説明して、23年度以降の補助申請のため22年度中の対応を求めた。

 国交省では、地方公共団体の老朽化対策の推進を図るため、道路メンテナンス事業補助制度を定めている。この制度は、新技術の活用を促進するとともに、維持管理コストの縮減を図る必要があることから、補助要項の一部を改正して22年4月1日から施行された。

 道路メンテナンス事業補助制度の交付申請にあたっては、長寿命化修繕計画が策定されるなどの補助要項が定められており、それに合致しないものは22年度中に補助要項に合致する長寿命化修繕計画を策定していない場合、23年度以降に補助申請ができない。このため事務局は、記載の修正や計画の更新が必要な地方公共団体に22年度中の対応を求めた。

 また個別施設計画の策定において、橋梁の単純撤去の補助要件の拡充に関しても説明。今回、治水効果の高い橋梁の撤去が追加されているが、個別施設計画の策定を行っている県や市町に「改築などを伴わない橋梁単体の撤去で要件を満たせる橋があれば、個別施設計画に盛り込んでほしい」と話した。

 本県の個別施設計画(長寿命化修繕計画)の策定状況は、県から説明した。国交省は第2次インフラ長寿命化計画で、橋梁の集約撤去や新技術の活用など数値目標およびそのコスト縮減効果は計画に記載する地方公共団体について、25年度までに100%になるように取り組んでいる。

 また23年度の予算以降、道路メンテナンス事業補助制度で本年度末までに計画にそれらを記載した自治体に対し、優先的な支援を予定している。これを受け、各自治体が本年度に長寿命化計画の個別計画を策定・改定していることから、優先支援の条件について改めて確認し、策定するよう求めた。

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