全市施設をZEB化 脱炭素行程案 市民や事業所の設備導入支援(宇都宮市)

[2022/8/10 栃木版]

 宇都宮市はこのほど、(仮称)カーボンニュートラルロードマップの素案をまとめた。それによると、市民は住宅の高断熱化・高効率設備・省エネ設備・太陽光設備の導入など、事業者は事業所の設備改修や導入などを行うとし、市はこれら取り組みを支援する。また、市も市有施設改修や再生可能エネルギー導入を進めるとし、全市有施設で2030年度までに照明LED化、50年度までにZEB化を図るとしている。

 市は、2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにするゼロカーボンシティを目指しており、30年までに13年度比で50%削減(209万トン-CO2)にするとの目標を設定。23年度には、地球温暖化対策実行計画を改定するとしている。

 ロードマップの素案によると、市民の取り組みとして住宅では▽新築・改修時に高断熱化・高効率設備導入・太陽光パネル導入でZEH(ゼロエネルギーハウス)LCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅にする▽建築資材に地元産木材を活用▽外壁を断熱リフォームし、窓の二重窓▽照明のLED化▽給湯設備・空調設備・電化製品は省エネ性能の高いものを採用▽太陽光発電や太陽熱利用の再生可能エネルギーの設置を検討-などを挙げた。

 家庭用太陽光発電については、30年度までに新築住宅のうちZEHが30%、全住宅でZEHを含めた太陽光導入住宅が25%になる目標を設定。50年度までには、すべての住宅で太陽光発電導入またはZEH化させる。

 市はこれらの支援で、各種設備導入のための家庭向け脱炭素化普及促進補助事業、住宅改修補助制度などを実施。また、交通関連ではEVステーションの普及促進や自転車専用道路の整備などを実施し、ごみ関連では家庭用生ごみ処理機の設置補助などを行う。

 事業者の取り組みでは▽外壁を断熱リフォームし、窓の二重窓▽照明のLED化▽機械設備などをできるだけ電化し、省エネ性能の高いものを導入▽熱利用の多い業種は、コージェネレーションシステムの導入を検討-などを挙げている。

 エネルギー創出では、太陽光発電や太陽熱利用の再生可能エネルギーの設置検討などを実施。このほか、新技術開発投資、農地・森林の適正管理や保全なども取り組みに挙げた。

 30年度までに、太陽光などの創エネ設備導入率は10%、産業部門の非電気設備の電化率は20%にする目標を設定。50年度までには全事業者が設備を更新し、全建築物に太陽光発電を導入させる。

 行政の取り組みは▽市有施設において、LED照明を導入して全施設照明のLED化を目指す▽高断熱化、空調等のエネルギー利用設備の高効率化▽電動車の充電設備の整備▽市有地・市有施設に再生可能エネルギーを最大限導入▽市有地・市有施設や公園の直下の推進▽木材利活用の推進-などを挙げた。

 30年度までに、施設の新築・改修に合わせたZEB(ゼロエネルギービル)化を進め、全市有施設で照明をLED化させ、50年度までに全市有施設をZEB化させる。

 市は、脱炭素加速化プロジェクトとして▽スマート&ゼロカーボンムーブプロジェクト▽再生可能エネルギー最大限導入・活用プロジェクト▽カーボンニュートラルなまちづくりプロジェクト-を設定。「スマート&ゼロカーボンムーブプロジェクト」では、移動に伴うCO2排出ゼロを目指し、LRTのトランジットセンターで送迎スペースや駐車場、各停留場で自転車駐輪場の整備などを行う。

 「再生可能エネルギー最大限導入・活用プロジェクト」では、地域にメリットのある再エネ設備を導入することを目指し、家庭や事業者向けの補助・融資制度で自律分散型エネルギーを普及促進。電力の地産地消へ、家庭用太陽光発電の再生可能エネルギーの買い取りなどを行う。

 「カーボンニュートラルなまちづくりプロジェクト」では、LRT沿線エリアを脱炭素化の推進モデル地区として設定してさまざまな取り組みを実施し、行った取り組みを波及させていく。

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