現地建て替えが有力 中央卸売市場の再整備(宮城県 仙台市)

[2022/8/23 宮城版]
 仙台市は22日、中央卸売市場運営協議会(岡部恒司委員長)で、本場(若林区卸町)の施設再整備の調査結果を明らかにした。主要棟の水産棟と青果棟は現地建て替えがもっとも優位性があり、東北の流通拠点として将来の機能強化が十分可能とした。概算事業費は最大で約600億円を試算し工期は10カ年を想定した。市は年内に方針を決定し、基本構想の策定に着手する。着工は最短で2027年度とする見通しを示した。

 中央卸売市場は、若林区の本場に主要施設の水産棟・青果棟、仲卸業者店舗、宮城野区の花き市場の2つの市場で構成する。再整備調査は21年度、水産棟と青果棟の本場の老朽化に伴い、改修案、現地建て替え案、花き市場と本場を集約した建替え案の3案を立案し、比較検討した。

 調査結果では、市場関係者の現地再整備を望む声が多いほか、本場の敷地約18万平方mと同水準の用地確保、利便性、機能配置の柔軟性などで優位性があるとの結果だった。現地建て替え案は費用・工期が最大化する可能性があるものの、コールドチェーン化など機能強化策を十分盛り込むことが可能になるとした。

 概算事業費は約470~約600億円。工期は従来の設計・工事を分離発注した場合で、解体・新築工事をローリング方式で施工して10カ年を想定した。市は年内に最終方針を決定し、基本構想の策定に着手する。

 調査業務は、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(大阪本部・大阪市)が担当した。本場の主要棟は水産棟がS造2階建てとRC造3階建ての合築で延べ床面積は約2万7202平方m。青果棟がS造2階建て延べ約3万0407平方m。管理棟はRC造地下1階地上6階建て延べ約2626平方m。いずれも竹中工務店が施工した。

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