鹿沼インター産業団地で造成 経営評価委員会 管路耐震化へ更新検討(県企業局)

[2022/8/31 栃木版]

 県企業局は、2022年度第1回経営評価委員会(委員長・池田裕一宇都宮大学地域デザイン科学部教授)を開き、21年度の経営戦略の進捗状況を委員に説明した。財務面と事業面を総合した評価では水道、工業用水道、県民ゴルフ場、賃貸ビルの各事業がA評価、電気と用地造成がB評価となった。主な建設関連事業は、風見発電所や深山発電所の全面改修をはじめ、水道事業ではろ過池原水弁更新工事や耐震化の管路更新等調査検討、用地造成事業では芳賀第2工業団地の第2期分譲、鹿沼インター産業団地などを進めている。

 議事に先立ち、北條俊明企業局長は「先般取りまとめた21年度決算の通り、電気と用地造成は目標を達成できなかったが、他事業では経常利益を確保することができた」と報告。池田委員長は「委員会は経営改善や各種事業の取組状況を検証する大変重要な役割を担っている」として、理解と協力を求めた。

 このあと企業局から、各事業の21年度の経営状況を説明。電気事業の年間供給電力量は取水ダム周辺の年間降水量が少なかったことなどで、計画値を0.4%下回る18万2303ワット時となった。

 実施計画に係る取組実績は、風見発電所全面改修の工事が延伸し、24年3月に運転再開を見込んでいる。また深山発電所の全面改修は、主要機器製作据付等工事や水力設備実施設計を発注した。

 水道事業は、計画業務量の達成状況が100%をわずかに上回り、計画値を超える水量を確保した。実績は、設備更新などの計画に基づく更新工事で北那須のろ過池原水弁更新工事や排泥池汚泥掻寄機更新工事などを完了した。耐震化では、管路更新等調査検討を行ったほか、管路施設耐震化等検討会を開催した。

 工業用水道事業は、計画業務量の達成状況が年間基本供給水量で100%をわずかに上回った。取組実績は、設備更新などの計画に基づく更新工事で1系排水処理池汚泥掻寄機の更新工事、急速撹拌機の更新工事、貯蔵施設等資材倉庫設置工事などを実施。耐震化への取り組みは、管路施設耐震化等検討会を開催し、スケジュール案と鬼怒の管路更新等調査検討の中間報告を行った。

 用地造成事業は、引き合い企業との商談が成約に至らず、経常損失が大きくなった。また分譲案内の前倒しや分譲可能な産業用地の確保に努めていて、今後5カ年で1億円の経常利益を確保できる見込み。

 取組実績は、戦略3産業(自動車、航空宇宙、医療福祉機器産業)と未来3技術(AI・IoT・ロボット、光学、新素材)、食品関連の企業誘致の強化、およびPR活動に注力した。また経営基盤の強化として、芳賀第2産業団地の第2期分予約分譲(7.5ha)の案内を開始し、鹿沼インター産業団地の造成を進める。

 県民ゴルフ場は、年間利用者数の計画値を9%上回る3万8193人を確保した。取組実績は、コース管理用散水設備制御盤の更新のほか、クラブハウスリニューアル工事を22年度発注するため詳細設計を行った。

 賃貸ビル事業は、本町合同ビルの入居率100%を維持した。取組実績は、空調設備の修繕工事、栃の実駐車場等監視カメラの更新や、同駐車場等の照明のLED化などを実施。また建物の長寿命化のため、第1期修繕計画(22~27年度)に向けた区分所有者との調整を実施した。

 各事業の21年度の建設関連事業の取組実績は次の通り。
【電気事業】
〈施設等の計画的な更新や耐震化〉
▽川治第一発電所設備更新工事=取水口巻揚装置更新工事(20~21年度)
▽足尾発電所水圧鉄管等詳細耐震性能照査
▽板室発電所給排水バルブ更新工事
▽木の俣発電所設備更新工事=発電機固定子更新工事(20~21年度)
〈既設発電所全面改修(FIT適用による収益力向上〉
▽風見発電所全面改修(FIT認定)=主要機器の製作、水圧鉄管の更新、撤去工事・建屋基礎部の配筋・コンクリート打設工事
▽深山発電所全面改修=主要機器製作据付等工事、水力設備実施設計業務委託
【水道事業】
▽設備更新等の計画に基づく設備の更新=ろ過池原水弁更新工事(北那須)、急速撹拌機更新工事(鬼怒)、1系排水処理池汚泥掻寄機更新工事(21~22、鬼怒)、無停電電源設備等更新工事(20~21、北那須)、No.1汚泥池汚泥掻寄機更新工事(20~21、北那須)、貯蔵施設等資材倉庫設置工事(鬼怒)
▽耐震化への取り組み=管路更新等調査検討業務委託(鬼怒)
【工業用水道事業】
▽設備更新等の計画に基づく設備の更新=急速撹拌機更新工事(再掲)、1系排水処理池汚泥搔寄機更新工事(再掲)、貯蔵施設等資材倉庫設置工事(再掲)
▽給水地域の拡大=芳賀第2工業団地配水管布設工事その1、芳賀第2工業団地配水管布設工事その2(21~22年度)
【用地造成事業】
▽芳賀第2工業団地=造成工事
▽鹿沼インター産業団地=用地取得
▽地元市町等との役割分担に基づく事業執行=芳賀第2工業団地、鹿沼インター産業団地
▽芳賀第2工業団地第2期予約分譲案内開始(7.5ha)
【施設管理事業・県民ゴルフ場】
〈計画的で効果的な設備投資〉
▽散水設備制御盤更新工事=コース管理用散水設備制御盤の更新(22年まで延長)
▽クラブハウスリニューアル工事の詳細設計業務委託=22年度工事発注のための詳細設計業務委託
【賃貸ビル】
〈安全で快適な施設環境の提供〉
▽建物・設備の点検・維持管理の適切な実施=空調設備修繕工事、空調用インバータ装置交換工事、栃の実駐車場等監視カメラ更新工事
▽省エネ効果の高い機器の積極的な導入=栃の実駐車場等照明のLED化
▽建物長寿命化のための第1期中期修繕計画(22~27年度)に向けた所有者との調整実施
〈利益確保による経営基盤の強化〉
▽コロナ禍等による駐車場収入減対策の実施=料金看板の新設
〈SDGs達成への貢献〉
▽太陽光発電、節電、節水、リサイクルの取組

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