民間開発誘導で調査 松戸駅周辺まちづくり(松戸市)

[2022/9/16 千葉版]

 松戸市は、「都市再生緊急整備地域」に政令指定された松戸駅周辺地域を対象に、民間の開発事業者の参入に向け、サウンディング型市場調査を実施する。駅周辺地域は、郊外型商業施設の出店などにより、以前の活力が薄れつつあることから、都市再生緊急整備地域による特例措置などのメリットを活かし、民間主導の不動産開発や商業・業務・文化複合施設の整備を誘導、駅周辺地域のリニューアルとにぎわい創出を図る。

 調査内容は、調査[1]が「松戸駅周辺地域におけるオープンスペース活用」。調査[2]が「松戸駅周辺地域の不動産開発」。調査[3]が「新拠点ゾーン(試みの場)における商業・業務・文化複合施設整備」。

 調査[1]では、既存の公共施設を活用した活動アイデアを募る。対象範囲は、松戸駅周辺の道路、公園、松戸駅前デッキなどの公共施設やオープンスペース。

 調査[2]は、民間による不動産開発を誘導することを目的に実施。高度利用化の促進やオープンスペースの創出、商業・業務機能の集積、都市型住宅の供給のため、民間開発事業者の開発状況、駅周辺の活性化に向けた考え方、市に期待する支援策などを把握する。

 調査[3]では、対象エリアに松戸駅東口周辺を含む「新拠点ゾーン(試みの場)」を設定。市は、新拠点ゾーン北側エリアで、複合施設の整備を検討していることから、民間主導で商業・業務・文化施設を整備するため、適正な規模や業種を確認する。

 調査[1]の対象者は、商店街や地元組織、企業、個人事業主、市民ら。

 調査[2][3]の対象者は、事業展開に意欲のある法人で、具体的な提案が可能な者。参加資格は、事業遂行能力のあるデベロッパー、ゼネコンなどの開発事業者のうち、「再開発コーディネーター協会」の正会員か「全国市街地再開発協会」の賛助会員である者。

 調査[1][2]は、提案書を10月31日まで受け付け、必要な場合は意見交換会を11月1日以降に開催する。調査[2]は参加申込が必要。調査[3]については、10月3日以降に実施要領を公表する。

 松戸駅周辺地域は2021年9月、「都市再生緊急整備地域」に政令指定された。指定区域は、「松戸駅周辺まちづくり基本構造図」における「商業・業務ゾーン」に、官舎跡地や中央公園の一体開発を計画している「新拠点ゾーン」を加えた約50ha。

 都市再生緊急整備地域では、民間の都市開発プロジェクトの実施にあたって、都市計画の特例のほか、固定資産税の軽減などの税制措置や金融支援が活用できる。

 本郷谷健次市長は、「都市再生緊急整備地域の指定により、地域全体のリニューアルに向けた下地が整った」と述べ、商業地としての魅力の向上に取り組む考えを示している。

 市は今年4月、UR(横浜市中区)とURリンケージ(東京都江東区)の3者で2018年に締結した「松戸駅周辺地区におけるまちづくりの推進に関する基本協定」を24年3月までに更新した。

 同協定にもとづき、サウンディング調査の窓口業務など「都市再生緊急整備地域における民間誘導方策検討業務委託」は、URリンケージが担当している。履行期限は23年3月末まで。委託料は748万円(税込)。

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