来年度から大規模改造 青葉中学校の校舎(宮城県 石巻市)

[2022/9/28 宮城版]
 石巻市は老朽化対策として、青葉中学校の校舎を大規模改造する。改造工事の設計業務は鈴木弘人設計事務所(仙台市青葉区)に委託した。工事は来年度に発注し、2カ年かけて施工する予定。

 同校は門脇地区に位置しており、敷地面積が約2.5ha。校舎はRC造3階建て延べ4438平方mの規模で、高さが約12m。講堂とともに1989年に建設された。

 計画では校舎と、RC造平屋62平方mの渡り廊下を大規模改造する。工事内容は、屋上防水や外壁、高架水槽、給水管、電気設備、機械設備の改修と、トイレの洋式化、多目的トイレの設置、バリアフリー化、エレベーター棟の増設など。

 市の劣化状況評価を見ると、健全度は100点満点が校舎が49点、講堂が75点となっている。

学校のトイレを洋式化

 石巻市は学校トイレの洋式化を進めており、本年度は小中学校衛生環境対策事業(新型コロナウイルス感染症対策)を活用し、10月に開北小学校と住吉中学校の改修を発注する予定。今後は飯野川小学校や河南中学校、万石浦中学校、牡鹿中学校などでも洋式化率が低いため、何らかの事業で早めに改修したい考え。

 開北小は、便器が63基あり、うち12基が洋式で、洋式化率が19%の状況。本年度は校舎の男子トイレ5カ所と女子トイレ6カ所、体育館の男子トイレ1カ所と女子トイレ1カ所を改修し、洋式化率を47.2%に上げる。

 住吉中は、便器数が36基で、うち8基が洋式タイプ。洋式化率は22.2%に留まっている。本年度は校舎の男子トイレ3カ所と女子トイレ4カ所を改修し、洋式化率を48.5%にする。体育館は洋式化済み。

 改修費は9月補正予算案で開北小に1900万円、住吉中に1500万円を計上している。修繕費の扱いのため、見積もり合わせでの発注になる可能性もある。改修期間は11月~2023年3月を見込む。

 飯野川小は便器数が43基で、うち7基が洋式タイプ。洋式化率は16.3%。河南中は便器数が38基で、うち8基が洋式。洋式化率は21.1%。万石浦中や牡鹿中も洋式化率が50%に満たない状態。

 担当課の市教育委員会学校管理課では、学校トイレの洋式化率を50%近くまで上げたい考え。今回の新型コロナウイルス感染症対策は臨時交付金を活用するため、今後は新たな財源を確保して洋式化を進める。

 なお、石巻中学校のように校舎や体育館の長寿命化改良工事に合わせてトイレを洋式化する学校もあれば、大規模改修に合わせて行う学校もある。洋式化率が低い学校はこれらの改修とタイミングが合えば、その際に手を付けることも考えられる。

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