技術者要件の緩和要望 東北整備局と意見交わす(日建連東北支部)

[2022/10/5 宮城版]

週休2日の推進やカーボンニュートラルへの取り組みなども話し合った

週休2日の推進やカーボンニュートラルへの取り組みなども話し合った

 日本建設業連合会東北支部(森田康夫支部長)は3日、仙台市内で東北地方整備局との意見交換会を開催した。主に東北地区における公共投資の推進や、入札制度の改善などを話し合った。入札の改善では、日建連が入札参加時の技術者要件の緩和策として、工期の8割程度に従事した技術者も評価するといったことを検討するよう求めた。

 意見交換会には、同局から山本巧局長ら12人、日建連から森田支部長ら13人が出席。主に[1]東北における公共投資の推進[2]週休2日の推進[3]入札制度の改善[4]カーボンニュートラルの取り組み[5]工事事故防止への取り組み──の5点について非公開で話し合った。

 冒頭のあいさつで山本局長は、東北での今後の大型プロジェクトに関し、道路であれば特に横軸がまだ弱く、「高規格道路の機能強化が大事で、それが復興の次のステージに上がるための条件」と発言。河川も災害に対して脆弱な所が多いとし、そうしたプロジェクトの推進と、必要な予算の確保に努める考えを伝えた。

 森田支部長は「担い手不足の解消が喫緊の課題」とし、日建連東北支部が週休2日を確実とする4週8閉所の実現や、建設キャリアアップシステムの普及促進など、処遇・労働環境の改善と、DXによる生産性向上に取り組んでいることを紹介。意見交換で現場での具体的な取り組みや課題について議論し、「適切にフォローアップすることで着実に成果が上がるように努める」と述べた。

 意見交換では、公共投資の推進に関し、日建連が公共事業の投資額が横ばいだったものの、国土強靭化5カ年対策による上積みのほか、本年度から事業加速円滑化国債が認められて数年にわたる事業が円滑に執行されていることを感謝。2023年度も引き続き東北の社会資本整備に関わる予算が確保されることを期待した。

 同局も国土強靭化の加速化対策や、現下の資材価格の高騰等を踏まえた公共事業の実施に必要な予算を確保することが重要との認識を提示。国土強靭化対策でこれまで行った河道掘削などが着実に効果を発揮しているため、引き続き国土強靭化に向けた予算を確保していく考えを伝えた。

入札の改善では、日建連の会員企業が受注を希望するような大型工事において、工事の途中で監理技術者の交代が認められにくいこともあり、長期間拘束されて若手技術者が監理技術者に登用される機会も進んでいないことを問題提起。

 入札段階における配置技術者の評価ウェートが高いことを念頭に、日建連は資格者要件の緩和を要望。例えば準備と後片付け期間を除いて工期の8割程度に従事した技術者も評価するといった検討を求めた。

 これに対し同局は、監理技術者の不足が重要な課題と理解を示しつつ、品確法の観点から基本的に完成までの工期が入札参加時の評価対象になるとした。一方で国土交通本省がこうした点について検討しているという情報を伝え、本省の検討結果を踏まえて対応を考えたいと回答した。

 若手技術者の登用に向けては、東北で専任補助制度を導入して実績を積み重ねていることも紹介。専任補助制度に関しては、同局の方から日建連に対し、支部会員の間で効果を発揮しているのかどうかを調べて情報を提供してほしいと求めた。そうした情報も参考にしながら今後に検討していく意向を伝えた。

 意見交換ではこのほか、週休2日の推進に向けて日建連が、統一現場一斉閉所の拡大を要望。カーボンニュートラルは、同局が他の整備局や市場性の状況を踏まえながら取り組みが可能なものから順次対応していく考えを示した。

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