基本設計まとまる 「コモンズ」で施設構成 新中学校整備事業(宮城県 美里町)

[2022/10/18 宮城版]

美里町新峯山の3.8haに建設する新中学校の完成予想図

美里町新峯山の3.8haに建設する新中学校の完成予想図

 新中学校の整備事業をBTO方式で進めている宮城県美里町は10月17日、このほど固まった基本設計の概要をホームページで発表した。整備事業を請け負っている大和リース(仙台支社・仙台市太白区)らのグループがまとめたもの。水田だった新峯山の約3.8haに、校舎や体育館、武道場などが一体となった延べ9525平方mの建物を建設する。今後、実施設計に移行し、2023年度から建設工事に着手する。

 美里町では既存の中学校3校を統合し、JR小牛田駅から450mほど東側の元水田に新中学校を建設する。

 設計・施工と建設後の維持管理は、プロポーザルで特定された大和リースのグループが請け負っている。同グループには地元企業として、橋本店(仙台市青葉区)と関・空間設計(同)、太平ビルサービス(大崎営業所・大崎市)が参画している。

 建設地が水田だったため、本年度当初から載荷盛土などの地盤改良が行われている。大和リースらは沈下が安定する間に、学校施設の設計をまとめている。9月末に基本設計が確定したことで、実施設計の移行前にホームページで発表した。

 基本設計の概要によると、施設全体を構成する考えとして「教室は大きな家・学校は小さなまち」を掲げた。空間のまとまりとして、「コモンズ」で学校施設を構成する。

 建物は、RC造4階建ての校舎をはじめ、RC造一部S造3階建ての体育館、武道場、給食室などが一体となった延べ9525平方mとする。全体を▽スポーツゾーン▽特別教室ゾーン▽普通教室ゾーン──の3つに分け、小さなまちを印象付ける。

 さらに校舎部分は、1階に「教職員コモンズ」、「地域コモンズ」を設けるほか、2階に「ラーニングコモンズ」、3階に「STEAMコモンズ」、4階に「学年コモンズ」を設け、それぞれの特色を醸し出す。

 校舎、体育館などは敷地の北西側に建て、反対の南東側をグラウンドとして野球場、サッカー兼陸上競技用グラウンドなどを整備する。北側にはテニスコートを4面整備する。

 現在、校舎などの建設予定地を中心に載荷盛土を行っている。23年度からは土砂の一部を南東側に運び、グラウンドの建設予定地を載荷盛土する。校舎などの建設については、23年7月ごろの着工を見込む。

 町は大和リースらが請け負っている事業とは別に、今後は建設地周辺の通学路整備や上下水道の整備を行っていく。開校予定は25年4月。

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