普通建設費は1209億円 県内25市町 昨年度の普通会計決算(栃木県市町村課)

[2022/11/23 栃木版]

 県は22日までに、県内25市町の2021年度普通会計決算の概要をまとめた。歳入総額は対前年度比13.0%減の9763億6600万円、歳出総額は14.8%減の9198億3300万円で、ともに1兆円を超え過去最大の規模となった前年度を下回った。歳出のうち、性質別の普通建設事業費は1209億8000万円と、小山市の新庁舎整備事業費などで膨らんだ前年度に比べ130億0800万円(9.7%)減少。災害復旧費も、東日本台風からの復旧事業の進展に伴い前年度から82.6%減の23億3700万円となっている。 (2面に市町別決算額)

 決算規模はこれまで、歳入・歳出ともに数パーセント程度の増減で推移してきたが、20年度は新型コロナウイルス感染症対策関連経費の影響でいずれも30%を越える大幅な増加となった。21年度はこの反動で10%以上減少したものの、依然としてコロナ前を大きく上回る規模となっている。

 決算の状況は形式収支(歳入総額-歳出総額)、実質収支(形式収支-翌年度に繰り越すべき財源)ともに全団体が黒字で、実質収支は全市町合計474億1500万円。黒字額は、前年度と比較して148億9800万円、率にして45.8%の増加となっている。なお、単年度収支は5団体が赤字、実質単年度収支は全団体が黒字となった。

 歳入は、前年度から地方交付税、地方特例交付金、地方消費税交付金などが増加し、国庫支出金、繰入金、地方債などが減少した。なかでも地方交付税は、臨時財政対策債償還基金費の創設などで普通交付税が増加し、前年度から147億8800万円(16.7%)増加。地方債は、小山市の庁舎建設事業債の減少などが影響し、49億3200万円(5.6%)の減少となった。

 一方の歳出は、目的別で見ると民生費、衛生費、土木費などが増加し、総務費、教育費、災害復旧費などが減少した。土木費は、宇都宮市のLRT整備推進費の増加などにより、前年度から65億5700万円(6.6%)増加し、災害復旧費は栃木市の令和元年東日本台風に係る復旧事業の減などにより、111億2200万円(82.6%)減少している。

 歳出を性質別でみると、前年度から扶助費、積立金などが増加し、補助費等、普通建設事業費などが減少している。普通建設事業費の減は、小山市の庁舎建設事業費の減少などが影響。補助費、単独事業費ともに減少し、全体で130億0800万円(9.7%)減少したが、1209億8000万円と5年連続して1000億円台をキープした。

 災害復旧費と合わせた投資的経費も、241億3000万円(16.4%)減少の1233億1700万円となり、全体の構成比は13.4%を占めている。

 財政構造の弾力性を示す経常収支比率は、前年度から4.5ポイント減少し84.7%となった。3カ年平均の数値を示す実質公債費比率は0.1ポイント減少し、5.4%となる。早期健全化基準となる25%以上の団体や、起債にあたり許可が必要となる18%以上の団体ともに該当はなかった。

 地方債の現在高は前年度から2.7%増の6544億3800万円で、3年連続で増加した。このうち臨時財政対策債は、5年ぶりの増加となっている。財政調整的基金などの基金現在高は、13.1%増加して2065億1200万円となっている。

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