戸祭配水池を耐震化 上下水道基本計画 改定計画の素案協議(宇都宮市)

[2022/12/2 栃木版]

 宇都宮市はこのほど、市上下水道局庁舎で第6回上下水道事業懇話会(座長・太田正作新学院大学経営学部長)を開催した。今回の会議では、市から第2次市上下水道基本計画改定計画の素案が提示された。それによると、浄水場、配水管、水再生センター、汚水管渠の改築や更新、雨水幹線の整備、施設の耐水化や耐震化、農業用集落排水等の公共下水道への統廃合、民間事業者の活用などを挙げている。

高間木取水場で耐水化を調査

 市は、2016年度に策定した第2次市上下水道基本計画について、上下水道事業を取り巻く社会経済環境の変化やこれまでの施策の達成状況を踏まえ、改定計画(後期計画)を策定する。計画期間は2023年度から、27年度までの5年間としている。

 今後の計画としては▽安全で安心な水道水の供給▽下水の適正処理の推進▽施設の適正な管理および機能向上▽災害に強い上下水道の確立▽最良なサービスの提供▽環境負荷低減の推進▽健全な経営の推進-を施策の柱とした。

 「安全で安心な水道水の供給」では、水道普及率を22年度末見込みの98%から、27年度末には99%にする。

 貯水槽水道管理の充実では、小規模貯水槽水道管理へ、調査の実施や台帳整備などに取り組む。品質維持では、浄水場への活性炭設備の導入を検討する。効率的な水運用体制の確立では、水系間の水融通施設の整備や小規模浄水場等の再編を検討する。

 「下水の適正処理の推進」では、生活排水処理率を22年度末見込みの96%から、27年度末には98.9%にする。

 汚水管渠は、公共下水道や特定環境保全公共下水道の未整備箇所で整備を推進していく。水再生センターでは、清原水再生センターなどで水処理施設の増設など、地域人口に応じた施設整備を計画的に進めていく。

 「施設の適正な管理および機能向上」では、水道有収率を22年度末見込みの90.2%から27年度末には90.6%に、下水道有収率は66.4%から71.6%にするとの目標を設定した。

 漏水対策は、AI技術を活用した新たな調査手法を導入しながら、早期修繕、漏水多発給水管の布設替、効果的な漏水対策の研究を行っていく。

 浄水場等の改築・更新では、各所で更新・長寿命化を進め、今市浄水場や戸祭配水場配水池は施設更新と合わせ、耐震化や一部で環境負荷低減にも取り組んでいく。老朽配水管は、優先度を設定して更新の事業量を平準化しながら、目標耐用年数を超過する前に更新を行う。

 侵入水対策は、管更生を含めた止水工事を行うほか、事業者と連携した効果的な侵入水対策を研究していく。下水道施設情報管理システムでは、新たな機能の追加を検討する。

 水再生センターは、下河原水再生センターで川田水再生センターとの汚水処理機能の部分統合による再構築を進めていく。農業用集落排水施設や地域下水処理施設は、公共下水道に接続する施設統合を検討していく。このほか、川田水再生センターの改築・更新、農業用集落排水施設や中継ポンプ場等の改築・更新にも取り組んでいく。老朽管渠も、計画的な改築・更新を進めていく。

 「災害に強い上下水道の確立」では、 水道基幹管路の耐震適合率を22年度末見込みの73.1%から、27年度末には75.9%、下水道重要幹線管路の耐震適合率は21.9%から23.2%、公共下水道雨水幹線整備率は55.6%から58.4%にする目標を定めている。

 施設の警備体制は、強化を検討する。水道の基幹施設・基幹管路では、松田新田浄水場や高間木取水場、およびこれら2施設を結ぶ導水管の耐震化を進めていく。補強方法や更新方法などの検討を行い、戸祭配水場配水池や白沢導水管などの耐震化も順次進めていく。耐水化は、高間木取水場で調査研究を行う。

 下水道の基幹施設・基幹管路では、川田水再生センターの耐震化に取り組んでいく。同センターに汚水を流す幹線管路も、優先的に耐震性の確保に取り組む。耐水化は、川田水再生センターなどの基幹施設で行う。

 雨水対策では、公共下水道雨水幹線の整備、民有地等への雨水貯留・浸透施設設置促進などに取り組んでいく。

 「最良なサービスの提供」では、ICTを活用した受付サービスの向上などを行う。「健全な経営の推進」では、民間事業者活用の業務手法や委託内容の見直し検討、PPP手法等による施設整備の検討、水道・下水道の広域連携の検討などを進める。

 「環境負荷低減の推進」では▽環境負荷に配慮した設備機器の導入▽農業用集落排水施設等の公共下水道への統廃合▽今里浄水場の統合▽水再生センターの部分統合▽施設敷地内への太陽光パネル設置▽下水汚泥消化ガス発電の、水再生センターへの導入検討▽小水力発電の調査・研究▽施設内の緑化▽浄水発生土や下水汚泥等の有効活用や、活用方法の研究-を挙げている。

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