奥村・岩田地崎JVに 巴波川捷水路 技術提案型総合評価で(栃木県監理課)

[2022/12/13 栃木版]

 県監理課は7日、「一級河川巴波川地下捷水路本体建設工事」に係る技術提案型総合評価一般競争入札を開札した。シールド工法(密閉型)による工事の施工実績を有する構成員2者または3者で構成する特定JVを対象とし、13JVが参加して奥村・岩田地崎特定JVが86億1000万円で落札した。県議会で工事請負契約の議決を得たあと、2023年3月にも本契約を確定する。この工事は、市街地の地下に延長約2.4kmの捷水路(トンネル)を整備するもので、工期は2026年3月24日まで。事業費には約153億円を見込んでいる。 =入札結果は本日付け入落速報の結果欄を参照

 工事の発注に当たって県は、標準として示した設計や施工方法(標準案)と異なる設計や施工方法に関する提案(技術提案)を受け付け、価格と価格以外の要素を総合的に評価して落札者を決定する技術提案型総合評価一般競争入札を採用した。

 工事は市街地下をシールド工で掘進することから、安全性を確保するとともに円滑に施工を進める必要がある。掘進は土被り10m程度の砂礫層中を2km以上行い、曲線半径30mの急曲線部の施工を含むことから、入札参加者からシールド工の施工についての技術提案を求めた。

 また、オープンケーソンはコンクリートを使用する重要構造物で、高校や住宅が近接する箇所で施工することから、施工にあたり周辺への影響を配慮しつつ、ケーソンの出来形精度向上とコンクリートの品質確保を行うことが重要になるとして、発進立坑の施工についての技術提案も求めた。

 予定価格の制限の範囲内で有効な入札を行った者のうち、「シールド工の施工に係る提案」と「発進立坑の施工に係る提案」の技術提案などから算出した評価値の最も高い者として、奥村・岩田地崎特定JVを落札者として決定。仮契約を締結した後、県議会の議決を得てから契約を確定して工事に着手する。

 巴波川流域では、令和元年東日本台風の大雨により栃木市中心市街地区間で河川の溢水により約218haが浸水し、床上と床下あわせて2213戸が浸水する甚大な被害が発生した。また平成27年関東・東北豪雨でも、巴波川が流れる栃木市中心市街地で約171haが浸水し、床上と床下をあわせて1720戸が浸水する被害が発生した。

 このように、流域の広範囲で幾度となく家屋浸水などの被害が発生している一方、巴波川は栃木市の重要な観光資源であり、沿川の嘉右衛門町などは「伝統的建造物群保存地区」に位置付けられ、河川沿いの歴史的建造物や景観、観光業への影響を考慮すると河川拡幅による改修は極めて困難な状況となっていた。

 これらを踏まえて、整備手法を検討した結果、道路の地下を活用した地下トンネルによる捷水路を整備することとし、21年1月に国から河川激甚災害対策特別緊急事業が採択された。

 事業は、栃木市大町地先に流入施設、同市沼和田町地先に流出施設を設け、断面5.5mの地下捷水路(地下トンネル)を延長2344.3m整備する。工事内容は、泥土圧式シールド工(外径6.0m)延長2336.9mのほか、発進立坑築造工(オープンケーソン工)1式で、設計は三井共同建設コンサルタント(本社・東京都)が担当した。

 巴波川の河川激甚災害対策特別緊急事業はこれまで、19年度から対策の検討に着手し、20年度には対策方針を決定して事業に着手した。21年度には施設詳細設計や用地買収などを実施しており、22年度から地下トンネル工事に着手する。工事は4カ年で実施し、25年度内の工事完成を目指す。

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