設計施工を一括発注  南摩ダム観光施設 事業者選定でプロポ開始(栃木県自然環境課)

[2022/12/23 栃木版]

 県自然環境課は22日、水と緑の南摩の里整備事業の事業者で、公募型プロポーザルを開始した。事業方式は、設計施工一括発注方式(デザインビルド方式)を採用。応募者は「分担施工方式」による「設計施工共同企業体」を結成し、建設業務を行う建設企業は「共同施工方式」により「特定建設工事共同企業体」を結成する。「共同施工方式」部分の構成企業数は3者までとし、原則として格付けがSA等級またはA等級に属する者の組合せとする。県議会で設計施工一括契約の議決を得たあと、2023年6月に本締結を締結し、25年1月31日までの期間で対象施設の設計と建設を行う。基準価格(提案上限額)は12億9204万9000円(税込)に設定している。

 事業者の業務範囲は、施設の設計や建設に係る業務、および工事監理業務とする。このうち設計業務は、地質調査など各種調査や建築施設・基盤施設・アクティビティ施設の設計業務、および申請業務など。建設業務は、工事に係る各種届出・申請、許認可などの各種申請や建築施設・基盤施設・アクティビティ施設の建設業務、什器備品調達設置業務とする。なお、施設のアクティビティゾーンの維持管理業務と運営業務には指定管理者制度を適用する予定で、指定管理予定者にフォレスフィール(栃木市、山口哲生代表取締役)を選定している。

 参加資格要件のうち、建築施設設計企業は12年4月1日以降に完了した延床面積500平方m以上の公共施設の設計業務を元請として履行した実績を有する一級建築士事務所であること。基盤施設設計企業は都市計画法に基づく開発行為の許可を伴う造成設計業務の実績、アクティビティ施設設計企業は橋長100m以上の吊り橋の設計実績などを求める。

 建築施設建設企業は、「建築一式工事」に登載されている特定建設業許可業者で、12年4月1日以降に延床面積500平方m以上の公共施設の建築一式工事(新築に限る)を元請として施工した実績を有すること。基盤施設建設企業は「土木一式工事」に登載されている特定建設業許可業者で、12年4月1日以降に都市計画法に基づく開発行為の強化を伴う造成工事を元請として施工した実績を有する者。またアクティビティ施設建設企業は特定建設業の許可を受け、12年4月1日以降に橋長100m以上の吊り橋を元請として施工した実績を有する者とする。

 建築施設工事監理企業は、12年4月1日以降に延床面積500平方m以上の公共施設の工事監理または設計業務を元請として履行した実績を有する一級建築士事務所、基盤施設工事監理企業は都市計画法に基づく開発行為の許可を伴う造成の工事監理または設計業務実績を有すること、アクティビティ施設工事監理企業は橋長100m以上の吊り橋の工事監理又は設計実績を有することなどとしている。

 スケジュールは、現地説明会の申し込みを23年1月11日午後5時まで、参加表明書と参加資格確認申請書を同年2月14日午後5時まで、企画提案書類を3月20日午後5時まで受け付ける。企画提案書とプレゼンテーション・ヒアリングをもとに、県の職員5人で構成する「水と緑の南摩の里整備事業事業者選定委員会」で審査し、最優秀提案と次点を選定する。

 選定事業者と設計施工一括契約を23年6月に締結したあと、25年1月末までの期限で設計および建設工事を実施する。25年1月末に施設の引渡しを受け、翌2月から3月末にかけて開業準備を実施し、25年4月の供用開始を目指す。

 この事業は、04年度に策定した「南摩ダム水源地域整備計画」に基づき、ダム湖の周辺地域にアクティビティ施設等を整備することで、地域住民のレクリエーションの場とするとともに観光資源としての魅力を高め、水源地域の活性化を図ることを目的とする。

 対象の施設は、建築施設がビジターセンター、広場・駐車場およびその関連施設(設備含む)、基盤施設が園路・管理用通路、法面保護工およびその関連施設、アクティビティ施設が吊り橋アクティビティ施設、ジップライン、アスレチック施設およびその関連施設とする。

 施設はアクティビティゾーンと森林体験ゾーンで構成し、アクティビティゾーンでは湖面上のシップラインや森林アスレティックを設けて、集客施設(収益施設)とする。また森林体験ゾーンは、森林風景や体験を楽しめる遊歩道・広場を整備することで、来訪者に癒しの空間を提供する。

 アクティビティゾーンの主要施設を見ると、ダム管理棟敷地にはビジターセンター(建築面積180平方m)、外構・駐車場(約1200平方m)、吊り橋アクティビティ施設(全長170m)、ジップライン[1](全長170m)、園路・管理用道路(約70m)、法面保護工(約430平方m)を設ける。

 また、ダム管理棟上流尾根にはアスレチック施設(約1500平方m)、ジップライン[2](全長370m)、ジップラインタワー(高さ約18m)、園路・管理用道路(約100m)、法面保護工(約2200平方m)を、対岸(右岸)尾根にはジップライン[3](全長440m)、ジップラインタワー(高さ約24m)、園路・管理用道路(約140m)、法面保護工(約1500平方m)、および広場(約1000平方m)を設ける。

 森林体験ゾーンの主要施設は、森林体験園路(約580m)、管理用道路(約410m)、段々畑広場(約3700平方m)、広場(約3700平方m)、自然観察エリア(約2600平方m)、森林体験エリア(約1万8000平方m)、整地・伐開(約8000平方m)としている。

 募集要項などの資料は、県のホームページからダウンロードできる。 詳しい問い合わせは、県環境森林部自然環境課自然公園担当(028-623-3211、メールshizen-kankyou@pref.tochigi.lg.jp)へ。

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