ゾーニング案示す 敷地東側に複合施設 宮城県民会館改築(宮城県環境生活部)

[2023/1/21 宮城版]
 宮城県議会の常任委員会が1月20日に開かれた。宮城野原(仙台市宮城野区)に移転改築する宮城県民会館などの複合施設について、宮城県環境生活部は施設のゾーニング案を示した。敷地の東側に複合施設を建設し、内部に2000席規模の大ホール、スタジオシアターなどを設ける考え。2025年度に着工し、28年度中の完成を目指す。

 県民会館は老朽化が著しいため、宮城県は仙台医療センターがあった宮城野原の敷地約5万3000平方mに移転改築することを決めた。その際、NPOプラザみやぎも含めて改築し、複合化する。

 複合施設はSRC造一部S造地下1階・地上5階建て延べ2万2200平方mを想定し、石本建築事務所(東京オフィス・東京都千代田区)が基本・実施設計を担当している。5月末までに基本設計が完了することから、宮城県はその前にゾーニング案を県議会で説明した。

 敷地を半分に分け、東側に複合施設を建設する。JR仙石線に対する騒音や振動の影響を考慮した結果、仙石線から最も離れた東側を建設場所に選択した。西側には1万5000平方mの芝生広場を設け、イベントなどに活用する。さらに、複合施設と芝生広場の間には、エントランス前広場を設ける。

 複合施設はコンセプトごとに5部門に分け、それぞれの広さを▽ホール部門(大ホール)8000平方m▽NPO部門(交流サロン、NPOルーム)600平方m▽創造・育成・連携拠点部門(スタジオシアター、スタジオなど)4700平方m▽交流・コミュニティ部門(ギャラリー、会議室など)2800平方m▽管理運営部門(事務室、共用スペースなど)6100平方m──とする。

 大ホールは建物の北側に配置し、1階から4階部分に最大2300席の客席を設ける。建物の南側は、1階から2階部分をスタジオシアターとし、芸術や文化を育む拠点とする。1階から3階までの各階には、大きさの異なるギャラリー、小スタジオ、カフェを設け、各階ににぎわいを創出する。建設に当たっては、バリアフリー、ユニバーサルデザインの観点を重視していく。

 県民会館の管理運営は現在、宮城県文化振興財団らで構成するJVが指定管理者となって運営している。宮城県は複合施設を建設後、どのように管理運営していくのが最適かを検討し、23年度中に管理運営方針をまとめる。その上で、24年度までに管理運営計画を策定する。指定管理者らに管理運営を委託する場合は、25~27年度内に事業者を選定する。

 石本建築事務所には、実施設計を24年6月末までに仕上げてもらう。翌25年度中に着工し、28年度中の完成を目指す。宮城県は施工監理費を含めた工事費を、約243億円と試算している。

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