普通建設費1.5倍に 学校統合の関連費増加(23年度予算案 宮城県 登米市)

[2023/1/28 宮城版]
 宮城県登米市は1月27日、2023年度予算案の概要を発表した。2月2日に開会する市議会2月定期議会に議案を提出する。一般会計の総額を、前年度と同等の439億7872万円とする考え。一般会計における普通建設事業費は、前年度より1.5倍の31億2811万円を計上した。津山、東和の両地区で小学校の統合に係る校舎の改修工事を進める。米山地区で計画している多世代交流拠点の整備事業では、実施設計に着手する。

 登米市が編成した2023年度予算案のうち、一般会計は前年度より0.9%(4億0764万円)の増加を見込む。一般会計の増加は2年連続。

 一般会計における投資的経費のうち、普通建設事業費は31億2811万円を計上した。前年度より56.4%(11億2831万円)の大幅な増加を見込む。小学校の統合に関連した既存校舎の改修、児童館の新設など、前年度までに設計を固めた事業が着工を予定していることが増加の要因。

 投資的経費のうちの災害復旧事業費は、前年度比38.8%(3802万円)減の6000万円を計上した。東日本台風、21年春の福島県沖地震、宮城県沖地震の対応が一段落したことで、21年度以前の計上額に戻した。

 一般会計と特別会計5事業、企業会計4事業を併せた予算総額は、前年度と同等の823億9287万円を計上。率にして1.2%(9億8549万円)の増加を見込む。

 一般会計に計上した建設関連の事業費を見ると、津山地区の小学校統合では、柳津小学校の校舎改修に3億0846万円の工事費を計上。東和地区の小学校統合では、東和中学校の校舎改修に23年度分の工事費として3億9935万円を計上した。東和中学校の改修には、24年度まで8億3025万円の継続費も設定する(24年度分は4億3090万円)。

 柳津小学校では老朽化している給・排水設備、暖房設備の更新を行うほか、内外壁、床などの改修を行う。4月から工事に取り掛かり、24年3月からの供用を目指す。

 東和中学校の改修では、中学生用の教室、トイレなどを小学生用に改修するほか、体育館やプールも小学生が使える基準に改修する。4月の着工を予定している。

 さらに、津山地区では柳津小学校の敷地内に、放課後児童クラブの拠点施設となる津山児童活動センター(仮称)を新設する。工事費に5550万円を計上した。木造平屋113平方mの建物を建て、30人程度が利用できる児童クラブ室、事務室などを設ける。自由来館室も設け、児童館の機能を付加する。

 米山地区にある総合支所、公民館、小学校などを複合化する多世代交流拠点の整備事業では、実施設計の委託費に2億3036万円を計上した。整備事業については現在、NTTファシリティーズらの設計JVが基本設計をまとめている。23年度に実施設計を固め、翌24年度から工事を進める意向だ。

 社会基盤として重要な市道の整備では、本年度から3カ年を集中期間とする「きめ細かな道整備事業」を推進している。2年目となる23年度も、現道の舗装などを進めていく。道路新設改良事業では、赤坂線など6路線分の補助事業に3億9611万円、境堀川原毛線など18路線分の単独事業に2億9113万円、高崎線など12路線の舗装補修に2970万円を計上した。

 橋の維持修繕には、山根・石沢線1号橋など14橋分の工事費に2億6940万円を計上した。市営住宅の老朽化対策では、米山清水第一住宅の給・排水設備の改修に1億3792万円、石越駅前第二住宅の外壁改修に3323万円の工事費を計上した。

■登米市 2023年度の主な会計別予算 (単位:万円)
予 算 項 目 予 算 額 前年比(%)
一般会計 439億7872 0.9
 うち、普通建設事業費 31億2811 56.4
 うち、災害復旧事業費 6,000 △38.8
土地取得特別会計 3 △99.7
水道事業会計 39億6283 10.9
下水道事業会計 43億7871 △3.7
予算総額 823億9287 1.2
※1万円未満切り捨て

 

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