中学校の外周道に工事費 一般会計が2.1%の増 (23年度予算案 宮城県 蔵王町)

[2023/3/1 宮城版]
 蔵王町は2月28日開会の町議会定例会3月会議に2023年度予算案を提出した。一般会計は前年度比2.1%(同1億4000万円)増の67億2000万円を計上した。新型コロナウイルスや刈田病院の関連経費が皆減となったものの、新設する統合中学校の外周道路工事費などが予算を押し上げた。長期総合計画後期基本計画に基づき、統合中学校整備事業に加え、安全かつ快適な環境づくりへ道路改良・維持事業に予算を厚くしている。

 23年度は第5次長期総合計画における後期基本計画(23~27年度)の初年度となり、前期の成果を踏まえながら▽ずっと住み続けたい快適な環境づくり▽愛にあふれるふるさとづくり▽オンリーワンな魅力づくり──を重点戦略に掲げ、施策を推進する。

 快適な環境づくりでは、教育環境の充実、安全で快適な道路整備に取り組む。そのための予算として統合中学校施設整備事業に設計委託費と外周道路工事費、また町道の維持・改良に工事費を配分した。

 道路改良整備事業には統合中の外周道路や町道湯口線の改良など計4件の工事費に1億5700万円を措置。このうち外周道路には約1億円を見込んでおり、改良を計画する外周5路線のうち「町道西浦谷地線」「町道西浦杉ヤラ線」の2路線に充てる。道路維持補修事業には除融雪作業委託費1000万円のほか、町道七日原中央線や北山中央線の舗装補修など工事9件に5100万円を計上した。

 外周道路以外の統合中学校関連予算では、建築や造成、屋外運動場の設計と、用地造成工事積算業務などの委託費に計1億4843万円を計上。設計委託費は債務負担を組んでおり、新年度分を予算化した形だ。

 校舎はRC造一部S造2階建て延べ6947平方m規模で、東北設計計画研究所(仙台市泉区)JVが設計を進めている。なお、造成は23年度中の着工を予定。必要経費は補正予算で確保することになりそうだ。

 これ以外では、老人憩いの家に工事費2300万円を配分。温泉井戸の二重ケーソン工事を実施する。設置を計画する認定こども園には増築棟などの建築設計費を追加。宮地区の施設に761万円、永野地区の施設に1582万円を計上し、こちらも債務負担を組んでいた23年度経費を予算化した。既存の保育所と幼稚園を統合して子ども園を整備する。22年度から設計を進めている。

 企業会計では、蔵王病院に地震で被災した厚生棟の工事費5711万円を措置。厚生棟は外壁の剥離や構造体の変形など甚大な被害を受けており、再建する方針だ。

■蔵王町 主な会計別予算案 2023年度 (単位:万円)
会計区分 予算額 前年度比(%)
一 般 会 計 67億2000 2.1
企業会計 病院事業 5億3545 19.2
建設改良費 6789 1064.6
水道事業 7億3179 3.7
建設改良費 1億4570 28.4
下水道事業 5億1818 △4.9
建設改良費 3537 6.8

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