プロポ手続き再開 消防本部跡地の利活用計画(筑波大学)

[2023/4/8 茨城版]
 筑波大学は、「筑波大学によるつくば市消防本部跡地利用計画事業」に係る公募型プロポーザルで、公募要領などを修正し、民間事業者の募集を再開した。20日と21日にかけて競争的対話を実施し、参加表明書は5月30日まで受け付ける。審査結果は9月中に公表し、優先交渉権者を選定する。事業者との契約が締結できれば24年5月にも着工し、26年3月に供用を開始する見通しだ。

 この事業は大学周辺地域における保健・医療・健康などの各種機能強化を図るとともに、その拠点として発展させるために複合公共施設の建設を計画するもの。建設場所は消防本部跡地(つくば市春日1-9、敷地面積7465平方m)となる。

 整備する複合施設については、[1]宿泊施設(大学の学術および各種診療機能などと連携した民間宿泊施設)[2]児童発達支援センター、教育相談センターなど(つくば市が運営・維持管理する。整備・供用にあたって必要となる空間を提供する)[3]民間健康・福祉施設など任意提案施設(回復期・慢性期のリハ施設やケア施設、託児所、保育施設、健康増進施設、産前産後ケアなど)やその他事業目的に資する各種収益施設(飲食・物販・商業施設など)──の3施設とし、各施設の整備・運営・維持管理を民間事業者に求める。

 このうち、宿泊施設は遠方からの附属病院利用者や入院患者の家族などの宿泊ニーズを取り入れるとともに、大学の各種機能との連携を考慮して幅広い来客ニーズに合致した施設とする。

 つくば市では児童発達支援センターのほか、教育相談センターの設置を予定している。内部には指導訓練室や個別指導室、一時保育室、相談室、事務室などを設ける。延べ面積は1800平方mを上限とし、1階部分のワンフロアとすることが望ましいとしている。駐車場は車いす用も含めて40台以上が駐車可能であること。当初予算には、児童発達支援センター内装工事設計委託料922万円を計上した。

 事業方式は民間の資金、経営能力、技術能力の活用により財政資金の効率的、効果的活用を図るためにPFI事業(BOO方式)で実施する。優先交渉権者は株式会社として特別目的会社(SPC)を設立することができる。

 事業用地は、大学がつくば市から定期転借地権の設定を受けたうえで、大学が選定事業者に一般定期転借地権(原則として50年間)または事業用定期転借地権(原則として30年以上50年未満)を設定し、有償で貸与する。年間転借地料には約1357万円を見込む。選定事業者は自らの資金(児童発達支援センターの延べ面積相当分は除く)で事業敷地内に施設を整備し、事業期間満了時に整備した施設を撤去し、事業敷地を返還することを原則とする。

 このプロポーザルは当初、21年2月に公募を開始したが、新型コロナウイルス感染症の影響などで手続きを一時中断していた。

 プロポーザルの再開にあたって、公募内容の修正点をみると、これまで「事業用定期転借地権」契約だったものを、「一般定期転借地権または事業用定期転借地権」契約に拡大して、事業範囲に柔軟性を持たせた。また、業務内容には、▽本施設の不動産開発・管理業務▽事業者が提案する宿泊施設の運営業務▽事業者が任意で提案する民間健康・福祉施設等の運営業務──などを追加している。

 事業のスケジュールは、参加表明書の提出は5月30日まで、6月6日に通知する。提案書類の受付は7月20日、8月21日と22日に提案プレゼンテーションとヒアリングを実施。審査結果は9月中に公表し、優先交渉権者を選定する。10月中には事業契約を締結し、設計に入る予定だ。11月中には児童発達支援センター等内装設計に係る契約を締結。24年5月から工事に着手し、26年3月の工事完了を目指す。

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